屈従! 第二の刺客、襲来!(5)
「……妙だな」
コントロールルームで永井がつぶやいた。
「なぜあいつは攻撃してこないんだ?」
【フレディ子】は、倒れた【ゴダイヴァ】に視線を向けるだけで、一向に動く気配がなかった。
まるで見守るか、立ち上がるのを待っているかのようだ。
「永井センパイ。わたしも気になっていることがあるんです」
呼びかけを中断して、横山もコメントした。
「【敵】の攻撃、手数は多いんですけど、単調というか……」
――――とうとう警報音さえ鳴りやんだ。
静かになったコクピットで、非常照明だけが点灯していた。
「…………っ」
【ゴダイヴァ】が前に倒れたため、ふたりともうつ伏せの姿勢。転落をまぬがれたのはシートベルトのおかげだ。
「大丈夫ですか?」
首を回して
髪の乱れた姿が痛々しかった。
「だいじょうぶだ」
意識はある。口調もふだんと変わらない。
だが、
「部長! ケガしてるんじゃないんですか?」
「ケガ……?」
「ほら、それ、……ム、ネ……の形が、なんか変……」
ふたつの砲弾は、容積はそのままに攻撃性を失っていた。
というか、凸凹にゆがんでいた。これがケガならひどい重傷のはずだが……?
「痛く、ないんですか?」
すると……
――――ぽろん
「?」
転がり落ちたのは、丸っこくて小さいクッションのようなベージュ物体。
パッドである!
だが女上司、それだけでは飽き足らないとばかり、大きく開いた
「えっ……?」
ひとつ、またひとつ。
当惑する
なでこ先生のいっていた秘密とは、このことだったのである!
ここでちょっと落ち着いてみよう。
これほどのパッドを収納するには、じゅうぶんな空間が必要だ。
それは、ブラがオーバーサイズであることを意味する。
すべてのパッド(ちなみに三×二の合計六個)がなくなったいま、そこに出現するのは――――浮きブラ!
浮きブラ? そんなありきたりな呼び方はふさわしくない。大地を完全に離れ舞い上がった、いうなれば!
天空の城ブラ!
♪地球ーはまーわーるー 君をーかくーしーてー
隠すどころか、すべてさらけ出してるがな!
地上波なら、謎の白い光か謎の黒い影の出番!
「マ、マズいですよ部長……!」
無いというわけではない、有るが決して大きくない、大きくはないが、小さいなんて卑下しなくてもいいんだよ? と、やさしい声をかけたくなる……そう、可憐。
いたいけ、といってもいい。
見てはいけないものを見てしまった、そんな恥ずかしいふくらみ!
――――そのとき、ゲージが輝いた!
そこに刻まれた幾何学図形は、「G」、「O」、「D」、「I」、「V」、「A」の組み合わせなのだ!
説明されないと誰にもわからないと思うけど!
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