第5話 『ジラあらわる』 その5
『みなさん。こにちは。
こちらは、ジラ。ジラ。
みなさんに、ごあいさつします。
みなさん。こにちは。
ジラは、地球に帰ってきましたのです。
ジラは、むかしむかし、地球のみなさんと、ながいあいだ、いしょに暮らしました。そのしょうこは、地球あちこちにあります。でも、いまは、たふん、信用がないです。しかたない。ときは、信用をうしなうのだからです。しかし、ジラは、いまから、5000年から、3000年くらい前あたりに、ちょっとばらばらと、みなさんから、さよならしました。それは、理由がありましたね。つまり、里がえりをしましたのです。。。それは、ジラの宿命。また、だれも、里はなつかしいですから。ジラは、かつて、それをくりかえしてきました。』
アナウンスは、いったん止まった。
『なんだ、これは。やはり、まるで、できそこないの古いSF宇宙人映画そのものだなあ。』
山口さんが、再度あきれたのだ。
『こういうことなら、だれでもできるよな。』
『でも、一瞬に東京消して、森を作るのは、難しいのですが。』
『たぶん、ヴァーチャルだろうな。』
山口さんは、やはり、意外に保守的なのかもしれない。
すると、また、アナウンスが再開した。
『そうして、やくそくのとおりに、ジラは帰ってきました。地球、離れるときに、みなさんと、たいせつな、お約束しました。いま、東京と呼ばれるあたりと、南極全部は、ジラが帰ったら、ジラにくださると。ジラは約束は守ります。地球のみなさんも、守ります。それは、わかています。ジラは、このさき、20000年滞在し、また、里がえりします。よろしく、お願いします。こちら、ジラ。ジラ。繰り返します。』
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