第4話 留守番

私の家族は、6人。

父 仕事が忙しく週末のみ家に帰る。

母 パート勤め。

兄 一つ上の年。長男。

私 長女。

弟 二つ下。次男。

妹 8歳下の次女。


父と母は朝から夜まで働き通しで、夕方は兄弟で過ごしていた。


小学生なので、下校時間はそんなに変わらないしかし、帰り道に友達とあそんだりすると

兄も弟も帰りが遅くなり、1人で留守番することがたまにあった。


夏でも薄暗い家の中は、1人での留守番が

とても怖かったので、好きなアニメを見たり

お菓子を食べたりして気を紛らわしていた。


ガチャ、トントントン。


「誰ー?帰ってきたら返事して!」

「…。」


また、私を怖がらそうとしてるなと思い

兄の部屋を勢いよく開ける。


誰もいないのだ。


とても怖くなり急いで、鍵を閉めて家を出る。

こんな時は外で時間を潰すか。近所のいとこの家に行くようにしていた。


兄弟が帰ってくると、事情を話しても

初めは信じてくれなかった。


だが次第に家族全員が体験することになり、

返事がなければ「いつものあれ」だ。と

暗黙の了解になった。


この現象は決まって、玄関を通り階段を登る音で終わるのだ。

お化けを信じない母でも怖がっていたのを覚えている。


夜中2人で起きてる時に、

ガチャ。トントントン…。

と音がして咄嗟に泥棒か?と思い


「お母さん。怖いよー。」と言うと母は

「なんやろうね。この音本当に」

「結構夜に起きてるとあるんよ」と強ばらせた顔が今も忘れられない。


ちゃんと二階に上がり全ての部屋を確認したが、誰もいないのだ。

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