第3話 祖母の言伝

月日つきひは流れ、相変わらず金縛りには合うが何も見えないので恐怖も薄れていった。


それよりも、ついに自分の部屋ができて嬉しかった。

二階の1番奥は兄と弟の部屋。

真ん中の部屋は、空き部屋。

階段すぐの四畳半が私の部屋だ。


嬉しくて、祖母にも話した。

すると、少し暗い顔をして「寝る時は下の部屋で寝るやろ?」ときいてきた。

私が「うん」というと

祖母が「いや、あの家を譲ってて言うのも何やけどね…」と困った様子で言い止まった。


私は「何よ。気になるから言って?」

と急かすと気まずい顔で話し始めた。

「昔からね。まりがね、幽霊がおる。幽霊がおるっていうんよ。」と話しはじめた。


そもそもあの家には、

父方の家族がみんなで暮らしていた。

結婚しそれぞれ出ていった。

祖母には間取りが広かった為、

近くに新築を立てそこに住むことにしたのだ。


そして、父の姉まりは霊感がある。

昔海外の人形館で体験した怖い話をしてくれて

とても怖かったのを今も覚えている。

それはまた後日書こうと思う。


そもそも半信半疑の私は、

「それでどんな幽霊なん?」と聞くと


祖母は「色々よ」「子どもや大人の幽霊」

「まりがねぇ、階段あがってすぐの部屋が気持ち悪い。っていつも言うんよ。あ、これ以上言うのはやめよ。怖くなるけね」

と言って話は終わった。


私は「ふーん。そうなん。」

と普通を装いながら内心震えた。


私の部屋だ。

幽霊がでるんだと思うと途端に怖くなった。


そんなことをまだ幼い孫に言う祖母も

また何かオカシナ人であった。

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