第2話 金縛り

引っ越して数日経っても、新しい家のニオイに馴染なじめず寝付けずにいた。

寝る時は、家族全員で居間に川の字で寝ていた為、寂しくはなかった。だが、やはりこの家がなんだか怖くて眠れなかった。


ようやく寝落ちしそうな時、手足が熱くなって頭と足を圧縮あっしゅくされるような感覚になった。

かと思うと今度は身体が微塵みじんも動かないのだ。


初めての金縛りの感覚に怖いというより感動していた。

すると…首がぐるん!!!と

なにかの力で反対に向けられたのだ。


反射的に見てはいけない気がして目をぎゅっとつむり。恐怖で冷や汗がでた。


「お母さん。助けて!!」と言いたいのに、

声がでない。それに…何かがいる。


気配だけが肌をさすように感じる。怖い。

しかし、それが何かは分からない。とても長い時間金縛りにあっていた気がする。気付けば朝だった。


一体あれは何だったのだろう。

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