第15話 待ち合わせ

天野のショッピングモールのインフォメーション前には約束の15分前に着いた。

眞白さんはまだ来ていないようだった。


ぼんやりと、通り過ぎる人を見ていて、ふと時計を見ると、4時半を回っていた。


朝ネットで調べた時、消防隊員は24時間勤務のうち、仮眠をとる時間がある、とは書いてあったけど、出動があったらそれもなくなる、とも書いてあった。


昨日寝てなくて起きれないとか?


また、通り過ぎる人を見ていてた。

もう一度時計を見ると、もうすぐ5時になろうとしていた。


走って来たりするだろうか?

めちゃくちゃ謝られるかな。

それともあっさりした感じかな。

眞白さんはどれだろう?


わたしは何て言おう?

怒る?

笑って「待ちましたよ!」と言う?


きっと来てくれると思って色々想像していたら、6時を過ぎた。


試写会は6時からだった。



眞白さんの連絡先を知らない。

眞白さんも、わたしの連絡先を聞こうとしなかった。


知ってるのは、東奈消防署の番号。

それと坂下さんの携帯。

でも、そこにはかけにくい。



何か、あったんだよね?

眞白さんは、本当は来たくなかったから、とかでドタキャンとかする感じの人には思えない。



7時40分。

映画が終わる時間になっても、眞白さんは来なかった。



8時になってようやく家に帰る決心がついた。

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