第11話 そうだったら…

消防署の人たちと別れて、七海と香奈と3人で電車を待っている間、眞白さんの話になった。


「未来、眞白さん来たじゃん!」

「未来に会いに来たとか?」

「それはないよ」


そう言いながらも、ちょっとだけそうだったらいいのに、と思ってしまう。


「『眞白さんはいつも飲み会に来ないのに』って、林さんが言ってたよ」


林さんが誰かはわからなかったけど、同じようなことを坂下さんも言っていた。



そうだったら……いいな……



『本気にしないで』

それを言う時だけ、冗談っぽく聞こえなかったことが引っかかったけれど……


ほんの少しだけ期待してしまった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る