4 アサリーとゾンビーズ
「なんという……!」
ななみんズからの報告を受け取ったアサリーは、その美しい顔に憂いの表情を浮かべて城壁にと向かい合った。
そこは城壁の入口。そして、城壁に向かい合い、何列にもなって沿うように立っているのは大量のゾンビーズ。
「我がゾンビたちよ」
アサリーは声を張り上げた。
「フォーメーション!」
ざっ、と、音を立ててゾンビたちが動いた。
城壁に向かい合っているゾンビたちの肩の上に、次列のゾンビたちが、組体操のように立ち上がった。そして、次の列のゾンビたちがまた同じように二段目のゾンビたちの上に立つ。
ゾンビの高い壁が出来上がったのだった。
「ななみん」
アサリーの肩に乗ったななみんが不安そうな声を出す。アサリ―も険しい表情でゾンビの壁を見上げた。
「幸い、ゾンビたちはもう死んでるからね。焼かれて灰にならない限りわたしは彼らを失うことはない。その点においては、魔人・凍るが火の精霊でなくてよかった、と思うよ」
「ななみん」
ななみんが小さな声を上げた。アサリ―もうなずく。
「お願いだ。アオイもスズメもわたしたちの仲間だ。どうか、君たち木の精霊の力で彼らの命を救ってくれ。わたしもできる限りのことはするから」
ななみんが小さく頷いた時だ。
どどどどどど。
激しい地鳴りがした。
「頼んだよ、ゾンビたち。どうか、全力で君たちの子孫を守ってくれ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます