12 決戦の時

 森に、夜がおとずれていた。


 ほう、ほう、と、フクロウが鳴いた。


 風に木の葉がそよぎ、ざわざわと不穏な音を立てた。


 木のうろの中で瞑想していたアオイがぱちっと目を開いた。


「来たか」

「ななみん」


 木のうろを取り囲んでいたななみんズがざわざわと動き出した。



 森に、冷たい風が吹き荒れた。


 ぎゃああああ、と、鳥が悲鳴を上げ一斉に飛び立った。


 大地を揺るがすような騒音が鳴り響いた。同時に響き渡るのは、悲鳴のような声。


 キイイイイイッ!





「ななみんズ、行け! みなに、決戦の時が来たことを伝えるのだ」


 アオイは叫んだ。ななみんズが「ななみん、ななみん」と、声を上げた。


 目を細め、アオイは漆黒の空をにらんだ。 


魔人まぁじん凍るこぉるが、来る」

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