002 使えなくなるは魔力
大蛇の首を刎ね、あの場所を飛び出して暫くが経った。最東端の集落からなるだけ川の側を西に向かって進み、受け継いだ記憶を元に大陸東部にある文明を探す。
あの日、大蛇の首を刎ねて以降、何故か私は魔力を使えなくなってしまった。
否、使えなくなったはやや語弊がある。
体内魔力が、何故か常に消費され続けるのだ。先の契約で不老の術は既に成り、老いることはないのだが、生活や戦闘に便利な魔術を使う為には魔力がいる。
取り敢えず、体外魔力を取り込み消費される前に術を成し、体の清潔や隠密、探索などに魔術を使用しているのが現状である。
困るは困るのだが体外魔力で代用できる為、原因の解明に努めはするが至急ではない。
なんなら私が常に体外魔力を体内に取り込み続ければいいのだ。
体内魔力は魂から生産される魔力。対する体外魔力は星や他の生命が生産した魔力。
効率が悪いので普段は使っていなかったが、体外魔力も使える方が将来の魔神討伐に役立つだろう。
原因は不明だが、代替案はあるのでこの話は一旦置いておく事にする。
さて、歩く間も暇なので今後の方針でも考えておこう。
まず大事なのは、魔神という存在を世界に知らしめ、現れた際の叫びを無効化する何らかの機構を作り出す事。
そして魔神を撃破、或いは撃退する為の魔術師、魔法師の育成と技術の発展。
更に私自身も魔神を撃破する様な力を手にする必要がある。
うーん。魔神という存在を知らしめる為に魔神教でも作って各国に共通の敵として認識でもしてもらおうかな?
魔神教との闘争で魔術師と魔法師の育成もついでに出来る?
うん。決めた。
私、魔神教の教祖になろう。
世界各地を回って、魔神教に協力してくれそうな人達を集める。取り敢えずはそれを目標に旅をする事にしよう。
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