第10話 尾行 その2

 やはり休日は人が多い。特に家族連れ。


 尾行と言っても隠れる場所がないので、さりげなく後ろをついていく。だから、バレないよう変装はしてきた。サングラスに明るい恰好しただけだがな。まぁ、俺だとバレることはないだろう。


 因みに、今日は双眼鏡を持ってきた。理由は2人を遠くからでもじっくり観察できるように。


 おっと? あいつらジェットコースターとかには乗らないんだな。露骨に避けている。どっちも苦手なのか?


 あいつらが最初に入ったのは“お化け屋敷”。ここで何も起きない訳が無かろう。


 数分すると、出口から涙目になりながら美空に抱き着いてる玲羅と、あり得んぐらい口角が上がっている美空が出てきた。


 —————なんだ、しっかりイチャイチャしてるじゃねぇか。やったぜ。


 すると、急にスマホが鳴った。


 なんだと思い、見てみると佑馬からの連絡だ。


『プロトアクチニウムの原子番号と原子量は?』


『91番。231。』


『お~』


 この話終わり。早く2人を追わないと。


 次はメリーゴーランドみたいだ。


 母と娘が一緒に乗っているのはシュールだが微笑ましい。しかし! あれを百合だと思うと……なかなかに興奮するな。


 降りてから暫くすると近くのベンチに座って、休むようだ。


 玲羅が立って、近くの店まで飲み物を買いに行くらしく、美空はベンチで待っている。


 そうしていると、美空に話しかける2人の男が来た。


 話している内容は分からんが、美空の顔がどんどん不機嫌そうになっていくのは分かった。


 とあるタイミングで、美空がブチ切れた。何を言ったのかは分からんが、2人は逃げるようにそこを立ち去って行ったのだった………


 ただ、玲羅が来ると、別人のように明るい顔となって、接している。こわ。




 なんやかんやで、気が付くと日が傾いていた。


 最後は観覧車に乗るようで、見たかったが、俺は見ないことにした。理由は……ただの気まぐれだ。


 帰って、しばらくすると満足そうになっている2人も帰ってきた。


 —————何があったかは、訊かないようにしておこう。



~あとがき的なもの~

 疲れた~

 マジで疲れた。ヤバいっす。

 どうも…おはこんばんにちは…相対音感です。

 肩こり&腰痛&睡魔によって、体と脳ミソどっちも破壊されながら執筆しています。

 幹隆のように、心配してくれる人が一人もいないのが一番つらい……

 まぁそんなことはどうでもよくて。いや~この“尾行”の回は幹隆のキャラ崩壊が凄いです。普段よりも自分に寄せているからでしょうかね。

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