第7話 お仕事

 俺が働いている会社は出勤時間が遅い。


 だいたい昼時の少し前くらい。


 だから、あいつらのイチャイチャを見てから行くことになる。


 昼食は出る直前に食って、夕飯の弁当を持っていく。愛妻弁当?いやいや、そんなん最初からなかった。美空にはあるんだろうけどな…


 まぁ、コンビニだな。ほぼ毎日コンビニでも家族の誰からも健康の心配をしてもらえない。別にいいが。



 電車の中は、出勤時間が遅いからか、あまり人がいなく辛くない。ずっと立ちっぱなしなんて事の方が少ない。


 本を読んで待っていたら、すぐに目的の駅まで着く。


 人が少ないとはいえ、階段などは少々混雑する。



 会社に着くころにはもう日は真上を通り過ぎていて、これから暗くなっていく。


 オフィスに着くともう俺の同僚がそこにいた。


「………」


 そいつは真顔で、真剣に作業に取り掛かっている。


 眼鏡を掛けた背の高い奴で、病気と思われるくらいには細い体系だ。


 名前は“人山佑馬ひとやま ゆうま”、俺の同僚であり、親友だ。たまに飲みに行くが、外で会うのは基本会社だけ。酒好きじゃねぇしな。


 佑馬に恋人だとか、嫁だとか、そういうのはいない。(実質俺もそうだけど)


 しかも、そういうのを作ろうとする性格にも思えない。


『なんで恋人作らねぇの?』


 中学生だったか、その辺でこういう感じの質問をしたことがあるのだが、その時のあいつの回答が衝撃的過ぎて忘れられない。


『だって、。』


 そう。こいつは生粋のゲーマーだ。引きこもりだ。


 高校と大学は別々のところだったんだが、お互い自分らしか交友関係なくて、結局会社が一緒になった。


「なぁ、東山。」


「…なんだ?」


「最近家族どうよ?w」


—————は? こいつには“アレ”について一言も言ってないぞ!?


「“どう”ってどういうことだ?」


「いや、なんか最近さ? 買い物行ったら、なんか仲良さげな女性が二人歩いてて、ちょっと近づいてよーく見たら、『あれ? あの二人、東山の嫁と娘やん!』ってなって。二人とも手繋いでたんだよ。恋人つなぎって分かる? 流石に分かるかw」


 ……おっと?


「そしたらさ、なんか、人気ひとけのないところに行って、その二人なにしたと思う?」


「何したんだ?」


 なんとなく想像は付くが、何をしたんだろうな。


「“何をしたと思う?”って聞いたんだから答えてくれよぉ!」


 ……ちと、うぜぇな。


「で、何をしたと思う?」


「知らん。」


「はぁ… つまんねぇの。まぁ、なんと二人、キスしてたんだよ。何なら娘の方オレに気づいたと思うぞ。目が合った。」


「……しっかたねぇな。何が起きたか教えるわ。もう。」




「…マジで?ww それは面白いなwww」


「他人事だと思いやがって。」


「だって他人事じゃん。」


 事実、そうである。


「そうだな。」


「いや~ おもろw」


「結構大変なんだぞ~ マジで。」


「オレは大変じゃないからw」



~あとがき的なもの~

 眠すぎて、おふとぅんの幻覚が、あっ、あっ、あ~

 どうもおはこんばんにちは、相対音感です!

 応援コメントとか貰えると心の中で喜びの舞を踊る今日この頃。(つまり、励ましコメント プリーズ)

 眠いのでこの辺でおさらば!

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