03.同い年の校舎

実家に帰ると私が6年間過ごした小学校の校舎が工事を行っていた。前回の帰省の際に、当時鮮やかな橙色だった外壁の色がかなり褪せているように感じたので、恐らく外壁工事をしているのだろう。


卒業してから14年が経つが、偶に当時のことを思い出すと、自分自身の衰えを感じることがある。母校のグラウンドを見ると運動会のリレーのアンカーで大逆転勝利を飾った記憶が甦るが、今はそんなスピードも耐力もないし、開成の仲間と遊ぶと学年の中でもトップクラスだった頃の頭脳を思い出すが、それは卒業と同時に行方不明に。人として最もポテンシャルを秘めていたのは間違いなくこの頃だ。


その輝いていた頃の私を見守っていた校舎も、実は私と同い年である。新しい学校として開校された後は多くの学生が集まり、特に私の学年は4クラス130名ほどの学生が集まっていたと記憶している。しかし、噂によれば今はひと学年40名少々で2クラス組めるのがやっとらしい。私と同じように母校も見た目、実情ともに大きく廃れてしまっている。


その母校は、将来老人ホームとしても活用出来る前提で作られているようだ。廃墟とならなそうなことは安心材料である。私が歳を取っていくように、母校もお年寄り向けの施設に変わっていく。またこれからも同じような一生を歩んでいくのかもしれない。

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雑談 上川拓真 @bakamikawa

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