02.救われない
先日、母校開成の文化祭に行った。私が卒業してから校舎が建て替わったため、その見学が第一の目的だ。まるで同じ母校と思えない近代的な建物であったが、教員室の机椅子や輪転機など、ところどころに懐かしい要素が入り交じっていた。
校舎見学もひと通り終わったところで、今年の松山で久々に開成俳句部に顔を出したこともあり、優勝のお祝いも差し入れつつちょっぴり顔を出してみた。これも私が現役の頃とほとんど変わりのない質素な展示であったが、俳句部で大掛かりな展示は難しいので仕方ない。その分、招待試合が熱気を補ってくれている。過去のそして最新の『紫雁』(※部誌)を読みながら、懐かしさや知らない後輩たちの俳句を眺めてるだけでいい環境で育てられたと思うしかなかった。
ここで調子に乗ってしまったのが良くなかったのかもしれない。翌日ふと開成のホームページの俳句部の紹介ページを見てみると、このような経歴が掲載されていた。
平成30年度第21回俳句甲子園団体準優勝
平成29年度第20回俳句甲子園団体優勝
平成28年度第19回俳句甲子園団体優勝
平成26年度第17回俳句甲子園団体優勝
平成25年度第16回俳句甲子園団体優勝
これを見ると平成27年が無かったことにされているが、この年は私が高校3年生の時に準決勝で敗れた年である。敗れたとは全国3位なのでそれを敢えて記載しないところは母校のプライドなのかはたまた。ちょっとショッキングではあったが、このような「3位以下は価値がない」と言わんばかりのスパルタ環境で俳句を学べたことを幸せと思うしかないのかもしれない。ただ、これからもどこか救われない気持ちも残りつづけるだろう。
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