7-3
僕が手を下ろすなりネイピアがすぐに喋り出してくれたのはありがたかった。
なるべく他の3人の顔を見ないようにしながらネイピアの方に向き直る。
「アカデミーの入学試験の魔法実技は、向こう側にあるような魔道具を使って行われるわ。それぞれ攻撃魔法と防御魔法を測定できるのよ」
ネイピアが示す先には、さっきテレジアナがかっこつけて撃ち抜いた的と、こっち向きに開口しているデカい弾道みたいな何かがある。
「攻撃魔法では、的に当たった攻撃の強さとコントロール、防御魔法ではどの程度の攻撃に耐えられるかが評価されるわ。さっきのジーナの攻撃は強さもコントロールも申し分ないわね。」
ジーナとはテレジアナのことか。
ネイピアの言葉に誇らしげに微笑んでいる。
「それからどういう風に魔法を使うか、ということも評価されるわ。ジーナみたいに魔法で作ったものを飛ばして攻撃してもいいし、魔法で作った武器を使ってもいい。ただ、単純な魔法よりも技術が必要な魔法を使った方が評価が高くなるわ」
「それならわたくしは今後より技巧を凝らした魔法を練習すれば良いのですわね」
ジーナが急に口を挟む。
自慢したいだけのようにしか聞こえないな。
それでもネイピアから見たら、幼児の可愛らしいふるまいに過ぎないのかもしれない、「そうね」と優しげな声で返す。
「ねえ先生、今日は何するんですか!」
今度はさっきから話に飽きてちょっとソワソワし出していたフューが、もう待ちきれないという風に言った。
「確かに、せっかく練習場に来たのだし、そろそろ始めましょうかしら。今日は攻撃魔法、あの的の真ん中に当てる練習をしましょう」
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