4-1
次の授業の日にネイピアに会うと、僕は真っ先に魔法科を目指すと伝えた。
ネイピアはどことなく嬉しそうにして、今日やることになっている語学の授業そっちのけで魔法についての授業が始まった。
「この世界のものは全て小さな粒でできているの。粒には土、水、火、風の4つの要素があって、それぞれの要素をどういうバランスで持つかによってその粒の性質が決まる。例えば、火をつくる粒は火の要素を多く持っているし、空気をつくる粒は風の要素を多く持っているわ。」
ネイピアが黒板に図を書きながら説明する。
なるほど、前世の古代のような世界観だ。
「そして粒のもつ要素や運動を変更する力のことを「マナ」と言って、このマナを使って周囲の粒の要素・運動を変える技術が「魔法」よ。魔導師は自分の体の中のマナを操作して、魔法を使っているの。体の中のマナの種類や量は生まれつき決まっていて、単純にマナの量が多いほど魔法のパワーは大きくなるわ。」
つまり、体の中の魔法の量が才能みたいなものか。
「マナの種類っていうのは?」
「粒と同じように、マナにも土、水、火、風のマナがあるの。マナの場合はさらに4要素それぞれに光と闇の属性、つまり土の光マナ、水の闇マナ…、があるから、全部で8種類のマナがあるわ。」
「なるほど。これも人によって違うの?」
「そうよ。私は火の光マナが多いから、この前見せたような、火をつける魔法が得意なの。火のマナは粒の中の火の要素を増やすことができる。さらに光属性マナは粒の運動を激しくし、逆に闇属性のマナは粒の運動を鎮めることができるわ。だからどんな種類のマナをどれくらい持つかによって得意な魔法が決まるのよ。」
「…もしかして魔法ってほぼ才能で決まるものなの?」
僕がそう聞くと、ネイピアは安心させるように微笑んだ。
「確かに、持っているマナの量と種類で使える魔法が決まってくる部分はあるわ。だけど、魔法はマナを上手く使いこなす方が大事よ。これにはいくら大量のマナを持っていても努力が必要だし、精密機械を作るような繊細な魔法は実はマナが少ない方がやりやすいわ。」
良かった、才能だけの世界じゃないってことだな。
まあ、魔導戦士になるには多いに越したことはなさそうだが…。
「つまり、これからやる魔法の練習っていうのは、この体内のマナを上手く使いこなす練習ってことよ。それには、まず自分の体の中にどのマナがどれくらいあるのか知っておく必要がある。これを調べるためには…」
「神殿に行くしかない」
ネイピアはなぜか決め顔でそう言った。
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