第14話 充実した夜
『こんばんは。今夜はどうお過ごしですか?』
そんなメッセージが宮橋さんから送られてきた。掃除や料理、後片付けを済ませ、予習をしていたところに連絡が来た。今夜連絡するとは聞いていたが本当に連絡が来るとは思ってもいなかった。
『こんばんは。今はちょうど明日に向けて予習をしていたところです。そちらはどうお過ごしですか?』
簡単にメッセージを返し、返信を待っている間に勉強に戻った。しかし、1分もしないうちに通知オンがなった。
『私も予習をしているところです。そこで質問なんですけど...』
本当に英語に関しての質問があったらしく、これからやる内容についての質問だった。それも明日明後日に勉強する内容ではなく、もっと先にやる内容のものだった。
『それにしてもなぜこの内容を今やっているんですか?明日にはこの内容はやりませんよね?』
『そうですよ、ただ言った通り私は英語が苦手なので先を見越して勉強しているんです。でないと遅れちゃうので』
ということだった。宮橋さんはとても賢い生徒だと聞いていたがその裏では毎日欠かさずに努力をしているからだろう。確かに毎日こういった予習や復習をしていれば点数は取りやすいだろう。しかし、継続することが難しいのだ。
『すごいですね、こうやって先の事を勉強している人なんてあまりいないんじゃないですか?』
『そうですね、あまり周りにも先を見越して勉強している方は聞いた事がありません』
『宮橋さんはすごいですね』
そう打つと返信が止まった。既読マークは付いているので読まれてはいるのだろう。なぜだろうと思いつつも携帯をずっと触るので返信が来るまで勉強に戻った。
『桜庭さんもすごいじゃないですか。お話を聞いている感だと転入してきても勉強に付いていけているそうなので』
そうして少しすると返信がきた。
『もともと海外にいた時から日本の高校の内容も勉強していたので。遅れを取らないために色々と準備したんです』
あの時は大変だったな〜と思いながら返信した。家事や料理スキルを身につけながら勉強、もともと通っていた高校と日本に帰った場合の勉強なので単純に2倍の量があった。今でもどうやってしていたかが分からない。
『そうなんですか?!すごいですね... 私は絶対に無理です、そんな量...』
『自分でも思い返すとどうやっていたんだ、と不思議に思います』
『失礼かもしれませんがなんでそんな日本に帰ってきたかったんですか?海外にいても良かったんじゃないかと思ってしまいまして...』
『それも考えたんですが色々なことを加味して帰ってくることを決めました』
『そうなんですね〜』
そんな雑談をしながら夜を過ごしていく
『そういえば肉じゃがはどうでしたか?上手く作れましたか?』
『はい、上手にできましたよ』
『良かったです。これで作れる料理のレパートリーが増えましたね!』
料理のことを話したり、
『え、桜庭さんは一人暮らしなんですか?!てっきり家族の皆さんと一緒に帰国して来たものだと思っていました』
『最初はそうする予定だったんですか妹の事もあったので』
『妹さんもいるんですね〜。私は一人っ子なので兄弟が居るのは少し羨ましいです』
『妹だけなく姉と兄もいるんですよ。自分は3番目なんです』
『とっても楽しそうな家族ですね!』
お互いの家族の事を話したり、
『これから起こる行事だとマラソン大会と期末試験くらいですね』
『え、それだけですか?体育祭とか文化祭とかは...?』
『それらはもう終わっていますよ?来年まで待たないといけませんね〜』
これから起こる学校の行事を話したり、
『バイトもされるんですか?』
『はい、欲しいものがあるので。流石に趣味のことまで親のお金を使うのはちょっと...』
『すごいですね〜。ただバイトをするのであれば先に担任の先生に話しておいた方がいいと思いますよ?』
『そうですね、時間を見つけて話そうと思っています』
これからやろうとしている事を話したり、
『すいません、こんな時間まで連絡してしまって...』
『いえいえ、謝らないでください。俺も宮橋さんと話せて楽しかったので』
気づいたら結構な時間が経っていた。本来であれば予習をしていないといけないのだが3学期も始まったばかり。蓮も時間には気をつけていたのだが意外と会話が続いた事もあって本来の目的である質問に答え終わった後も長々と話してしまった。
『ではまた明日、学校で機会があったらお話ししましょうね!』
『はい、楽しみにしています』
『『おやすみなさい』』
お互いにそう伝えたあと、携帯を閉じて少しだけ予習に戻る。と言っても時間が遅いこともあってそう長くはやらず、キリの良い所で終わらせた。
ちゃんとノートや筆記用具を鞄に戻した後、布団に入り、動画を見た後に眠りにつく。そうして初日の月曜日を終えた。
そして次の日の火曜日、起きてからシャワーなどを浴びて登校する準備を始める。また朝の通勤ラッシュに巻き込まれながら登校となると少し気が滅入るが他に通学する手段があまり無いため慣れるまではしょうがないと自分に言い聞かせ駅に向かう。
そうして駅に着くと宮橋さんが改札口の近くで待っていた。この季節で外で待つのは大丈夫なのか、と思ったがマフラーやコート、手袋などと寒さ対策はバッチリなようだ。イヤホンで音楽を聴いているからか体を少し揺らしながら歌を口ずさんでいる。
そうしてもう少し近づくと彼女は蓮に気がついたようで綺麗な笑顔で挨拶をした
「おはようございます、桜庭さん!」
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こんにちは、Ariesです。
あまりこの後書きで書くことがあまり無いのですがこれからもこのストーリーを楽しんで頂けると幸いです。
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