第3話 慣れてきた生活
「今日は...」
今日は土曜日。そして、日本に帰ってきて1週間が経った。時間が経つのは早い、そう実感した1週間だった。最初は大変だった。何しろ寝具が無く買った二つの布団のうち一つを地面に敷きその上で寝なければいけなかった。次の日にベッドが届いた瞬間に組み立てたほど寝心地がよくなかった。
そして次は買い物である。日本と海外では物価が違うため、蓮は買い物にすごく苦労した。というのも全体的に物価が安いため、色々と買ってしまうのだ。一回だけ買いすぎて物をダメにしてしまった時は流石に良くないと考え、色々と考えながら買い物をするようになった。
そして一番大きな違いはやはり公共交通機関だろう。というのも海外だと日本ほどのサービスが期待できない。バスや電車が遅れるのは当たり前。なんなら急にキャンセル扱いやストライキなどで使えない日もあった。しかし、それが日本にはない。これが良い点でもあり、悪い点でもあった。蓮は電車などが遅れる事に慣れているので準備が遅くても間に合うのでは、という感覚で動いていた。なので予定の電車に乗り遅れることがあった。その為に今は予定の何分前に出ないといけない、という意識も持ち始めた。
「あんまりする事がない」
この1週間の間に部屋には色々と物が揃った。寝室にベッドと新たに追加したクローゼットとミラー、机と椅子、小さい引き出しなど生活するのに十分なものを揃え、リビングにはソファと大きめのクッション、そして大きめの机を置いた。もっとも、組み立てが重労働で1週間全部使って組み立てた。しかし、それが全て終わってしまったのでこれからどうするかが悩みだった。
「高校に行くのは来週だし...」
事前に高校には連絡しておき、学期が始まる前日の日曜日に来て欲しいとの事だった。なので、手持ち無沙汰なのである。何をしようかと考えているとふと思った。テレビが欲しい、と。テレビが見たいわけではなく、大画面でゲームがしたいからだ。蓮は大のゲーム好きで小さい頃からずっといろんなゲームをやってきた。今はコンソール機が2台あるが近いうちに自作PCを組み立ててゲームをしようと思っているほどだ。
しかし、テレビは高い。もちろん性能に拘らなければ良い値段のものはあるだろうがそこは妥協したくない。4Kまでとは言わないがある程度サイズが大きくゲーム対応のテレビとなると値段は大きくなる。流石にそんな物を買うわけにはいかない。かといってゲーム用モニターだと小さく、大きめなリビングには全くと言っていいほど合わない。
「...少しだけ見に行こうか」
蓮の悪い癖である。買えないもの、買う必要のない物でも一度欲しいと思ったら実物を見に行ってしまうのだ。物欲が強いのだ。近くに家電良品店があるので蓮はそこに向かった。
「種類多いな〜」
見渡す限り色々なテレビが置いてある。サイズやメーカー、性能などが全て違っており、蓮の心を躍らせる。
「こんなテレビ欲しいけど...」
値段を見て諦める。こんな値段のテレビを買おう物なら親から速攻で連れ戻されるだろう。というのも今回の家具も出来るだけコストを抑えて買っているのだ。蓮の親は生活に必要なものはちゃんとお金をかける人だが娯楽には厳しい。蓮の好きなゲームだって彼がお小遣いで全部買っているほどだ。今回の必需品もちゃんと蓮は何を買ったか、そしていくら使ったかを報告している。これは強制されたことではないが蓮も浪費癖を付けないようにそうしているのだ。
「ゲーミングモニターはどうだろうか」
もちろん良い性能のモニターも値段は張る。しかし、テレビよりは買いやすい。と言ってもリビングにおけるほどの大きいサイズは無いので買うのならテレビだろうと決めた。しかし、お金がないので
「バイトするか〜」
バイトする事を決めた蓮。幸い家の近くに色々なスーパーやお店、カフェなどがあるので募集しているところは見つかるだろう。こんなこともあろうか事前に親と一緒に記入した履歴書もあるので募集しているところさえ見つければ後は応募するだけだ。
そんなこんなで色々と見て回る蓮。ゲームには目がないので新作や中古のタイトルなどを確認するがどれもあまり惹かれなかった。次にPCを見に行くがこの店では自作用のパーツではなく既に組み立てられた物が売っていた。実際に作ったことはないが自分で既にある程度パーツ構成などを考えている蓮にとってはあまり関係なかった。
「買い物にも行かないといけないし帰ろう」
そんな調子で午前を過ごし帰って簡単なものを食べた後、買い物に出かける事にした。冷蔵庫の中身を確認し、何を買い足さないといけないのかのメモを取ってから家を出る。
そしてスーパーにつくと、1週間前に見かけた蓮が恋に落ちた相手がちょうどスーパーに入って行ったところだった。
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どうも、Aries(アリエス)です。
このエピソードも読んでくださってありがとうございます。
勘のいい方ならもう主人公の名前でお気づきかもしれませんが実は筆者が大好きなゲームからのインスピレーションを少し受けて書いています。主人公はかっこよく、ヒロインが可愛いので。しかしストーリーなど他の部分は似せるつもりは全くありません。お名前だけ少しお借りしました。
これからもこのストーリーを読んでくださると幸いです。
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