第8話 静かに夏は去く
こんにちは、magasです。
朝晩冷えてきたし、そろそろワイシャツ長袖に変えてもいいなと思って出勤したら、昼間はまだまだ暑くてちと後悔した私です。
さて、もう十月だというのに昼間はまだ二十五度近く気温が上がったりして、衣服選びが難しい昨今ですが、この時期私の住む街では、大きなお祭りが行われるんです。たくさんの屋台が並んだりして大変賑やかなお祭りなのですが、近年はコロナ禍で中止が続いており、実に数年ぶりの開催。
そんなわけで祭り会場から離れている私の勤務先のお店では最近では珍しいくらいお客さんが少なくてのんびり仕事してましたが、ちょっと用事があって仕事帰りに職場と自宅の中間あたりにある街に寄ったんです。
用事を終えてさて帰るかとバス停へ行くと、なんだかすごく賑やか。
バス停のすぐそばに小さな公園があって、普段はバス待ちの人がベンチに座ってたり近所の子供たちが遊んだりしているんですが、今日はそこでもお祭りがやっていました。
小規模ながら食べ物の屋台が立ち並び、ステージではおじさまバンドが賑やかな演奏を奏でている。紙風船をポンポン飛ばして遊ぶ子供たち。七色に光るペンダントを首から下げてご満悦の幼児。屋台の食べ物を物色する若者たち。ビール片手に談笑する大人たち。
コロナでここ数年失われていた光景が、そこには広がっていました。
良い匂いに誘われて、私も少し買い食いしたかったけれど、既に夕食の用意があったので泣く泣く諦め、バスを待つ間雰囲気だけ味わっていました。
近年お祭りというものに全く行ってない私も久々のお祭りでしたよ。雰囲気だけですが。ポケモンのDLCで(ゲームの中で)夏祭りを楽しんで以来ですねぇ。
焼きとうもろこし、たこ焼き、チョコバナナ。かき氷にタピオカジュース、はしまき。
皆さん『はしまき』って知ってます?
私は九州の人間なので昔から普通に身近でしたが、実は西日本でしかあまり見られないんだとか。
簡単に言えばお好み焼きを割り箸に巻いたものなんですが、お祭りのような場所でも食べ歩きしやすいようになっているんですね。ちょっと買いたかった。
私は学生の頃、こうした多くの人が集まるイベントが苦手でした。
一人でお祭りに行ったこともありましたが、賑やかな場所に一人でいることに耐えられなくなって、いくつか屋台を回っただけですぐ帰ったことがありました。
一人で花火大会に行ったこともあります。綺麗だったけど、なんだか虚しくなって、それっきり行ってません。
それが、今日久しぶりに賑やかさの中に身を置いてみて、なんだか一周廻って普通に楽しんでいる自分に気が付きました。
特に何か買ったりはしていないけど、ただ雰囲気を味わうだけで楽しい。楽しんでいる人を眺めているだけで楽しい。ともすれば職業病なのか、屋台の人達の接客ぶりを観察しちゃったりもしているけれど(笑)、それも含めて祭りの雰囲気を楽しめている自分がいる。
バスが来るまで、ほんの三十分程度の滞在時間ではありましたが、昔のように息苦しくなることもなく、普通にほっこりとした気分でいる自分に少し驚いています。
自分も少しは変わったのかな? ぼっちなのは変わってないけど(おい)。
今じゃ普通に一人ラーメンするし、コロナ前は一人カラオケもしてたし、何年か前には一人日帰り旅行もしました。もう私はぼっちでも怖くない!
・・・なんだか孤独死確定の未来に思いを馳せつつ、私は今日も生きています。
哀れな私に是非コメントをください(笑)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます