第3話 リスペクト

 こんにちは、magasです。


 前回は、私の過去の話をしました。

 今回は、現在の話をしたいと思います。


 私はいま、接客の仕事をしています。

 具体的なところはボカしますが、モノを売る仕事です。レジ打ちとかします。

 今年はコロナの規制緩和と円安の影響で外国人観光客が多くて大変です。英語あんまり喋れないし。


 実を言いますと、望んでこの職業に就いたわけではありません。裏方的な仕事がしたかったけど、社内の部署異動により前線に回される形となったのです。

 むしろ学生の頃は自分に接客業なんて絶対無理と思ってました。当時の自分は結構なコミュ障で引っ込み思案なタイプでしたから。


 それでも生活がかかってるし、やらない訳にはいかない。初仕事の日にはWANIMAの『やってみよう』を聴いて自分を奮い立たせたのを覚えています。


 で、最初はレジ打ちとか簡単な仕事から始めるわけですが、これがなかなか大変。

 今はキャッシュレス決済の手段がかなり多岐にわたりますから、それぞれの決済方法と端末の操作の仕方、レジの打ち方を頭に叩き込まないといけないわけです。

 何度も間違えながら覚えました。レジを打ち間違えると、間違った処理を取り消してから再度正しく打ち直さないといけないため、余計な手間がかかるわけです。お客さんの多い時間帯にやっちまうと最悪です。


 まあ、某芸人さんじゃないですが案外「やればできる!」もので、コミュ障の私でも一応普通にレジ打ちできるレベルにはなりました。


 で、接客業をやってみて、ひとつ考え方が変わった点がありました。

 それは、「店員さんへのリスペクトが芽生えたこと」。


 人間誰しも仕事を離れお店に行けば客になります。そして、そこに勤めている店員さんのおかげで私たちは買い物ができます。

 社会に出る前の自分は、前述のコミュ障もあってかなり無愛想な、嫌な客だったと思います。

 しかし自分が店員の立場を経験し、彼らの大変さとありがたみを知ったことで、お店の店員さんたちに横柄な態度を取れなくなりました。


 むしろ最近では積極的に「ありがとうございます」と口にしています。


 行きつけのラーメン屋でラーメンを提供してもらったとき。

 いつものスーパーやドラッグストアのレジで精算をしてもらったとき。

 自分が注文したものを、遠路はるばる運んできてくれたとき。


 自分が店員の立場のとき、「ありがとう」と言ってもらえると悪い気がしないから。

 きっと店員さんたちも、いろんな業務に忙しい中で私の買い物のために時間を割いてくれたのだから。

 当たり前だと思っちゃいけないな、って思います。


 私も店員をやっていると残念なお客さんに出くわすことがたまにあります。

 ちょっとムッとすることもあるけれど、そういう人達には是非一度、接客業をやってみて欲しい。

 経験することで分かることもあると思うから。




 …なんて偉そうなことを書いてはいますが私もまだまだヒヨッコです。

 大した人間ではありませんが、今日も「ありがとうございます」を言い続けています。

 エッセンシャルワーカーに幸あれ。

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