21. 原稿用紙の余白
『迎えにきた母』の余白
小説家になりたかったと言っていたので、もっと巧いのかと思っていたのが本音です。
でも、あなたの思う「家族」というものが伝わってきた気がします。きっと、あなたの家族のことが、物語に反映されているのだろうと感じました。あなたの家族への想いが詰まった一篇のように受けとりました。
最後のシーン。森の方へと歩み出すところ。あそこは印象的ですし、「裏切られた」と感じましたし、示唆的でもあると思いました。
わたしは、嫌いではありません。
* * *
『子どものいたずら』の余白
良い意味で研究者らしく、物事を厳密に伝えようとするところが、ぼくのこころにはよく響きました。ユーリーの思惑が最後まで「母」に伝わらず、良いように勘違いされてしまう。彼女のことを想うと、切ない気持ちになります。
…………ところで、チョコレートケーキが好きなんですか?
* * *
『昼の薪割り』の余白
チョコレートケーキのことを書いたから、それが好きだと邪推するのなら、わたしは花瓶が好きだし、白い花が好きだし、ソファーや箪笥が好きだということになりますが…………で、わたしが、チョコレートケーキが好きだからって、それがどうしたというんですか? 悪いですか?
ところで、ネブラスに併設されているケーキ屋で、新作のチョコレートケーキが発売されるらしいです。わたしが買いに行くと、お店のひとに迷惑がかかるかもしれないので、だれかに買ってきてもらってください。
どうぞよろしくお願いいたします。
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