第14話 家畜を飼いたい

 ……ふぅ、堪能した。

 マロンはベッドでぐっすり寝ている。


 さて、次にやることを決めるわけであるが、やはり牧場なら牛や鶏が欲しいよね。たしかこの村にあるもう一つの牧場に行けば買えるからどのくらいか後で確認しよう。

 あとは、生き物の研究をしているクリスさんにモンスターについて聞くこともまだできてないな。今はまだ15時過ぎだし時間はあるな。


 まずは牧場に行ってその次にクリスさんのとこに行くか。出発するあたってマロンをどうしようか。まだスヤスヤ寝ているんだよね。起こすのは悪いし留守番してもらうか。


 早速もう一つの牧場である『ナッシュ牧場』に到着し、建物に入る。


「おう、コウタか!ここの生活には慣れたか?」


 建物に入ると茶髪のダンディなおじさんが声をかけてくる。彼はダニエルさんでここの牧場主である。


「はい、だいぶ慣れてきました」


「そうか、それはよかった。で、今日はどうしたんだ?」


「牛や鶏を育てようと検討しているので相談に来ました」


「そうか。ならニーナに聞くといい。おーい、ニーナこっちにこーい」


 ダニエルさんは建物の奥のほうへ声をかける。


「なーに?お父さん」


 そしてやってきたのは、ダニエルさんの娘のニーナさん。年齢は20歳で普段は牛や鶏のお世話をしている。身長は155cm程で出るところは出ている体型で、髪型は緑色のポニーテールである。


「コウタが牛や鶏を飼ってみたいから相談したいとよ。相談に乗ってやってくれ」


「あ、コウタさんこんにちは。相談ですねー。任せてください」


「はい、よろしくお願いします」


 座って話せるところに移動し、さっそく相談を始める。


「牛や鶏を飼うとのことですがうちの牧場から購入するつもりですか?」


「そのつもりです。というよりほかの方法もあるんですか?」


「えーと、うちの牧場も動物を扱う業者から購入しているので仲介することもできますよ。ただ街の方に行く必要があるのと村までの帰りも連れて歩くことになるので大変ですけど。あとは野生のものを捕まえるとかですかね。野生の個体は凶暴なことが多いですしこちらも大変ですね」


 ちょっと現状で街まで行ったり野生を捕まえる手間はかけられそうにないな。


「なるほど。ここで購入する前提で相談をお願いします」


「わかりました。ウチで取り扱っているのは牛と鶏と羊です。それぞれ大人と子供の個体から選べます」


「大人と子供の違いって何ですか」


「大人はすぐに畜産物を得られます。子供は大人になるまで育てる必要があります。そのかわり子供のほうが安いです。具体的な値段としては、牛と羊の大人が10,000G、子供が3,000G。鶏の大人が5,000G、子供が1,500Gですね」


 子供から育てたほうが愛着湧きそうだし、値段も安いなら子供のほうがよさそうだな。


「そうなんですね。餌ってどうしたらいいですか?」


「牛と羊は牧草、鶏はトウモロコシや小麦などの穀物ですね。ウチからも購入することができますしコウタさん自身で作ってもいいですよ」


 それなら餌用のものを育てつつ牛と鶏の購入資金稼ぎを今後の指針にするのもありだな。


「なるほど。あとは育てるうえで気を付けることってありますか?」


「そうですね。日々の体調をしっかり確認してください。病気になってそうならウチの方で診てあげることもできますし薬も用意できますよ」


「そうなんですね。わかりました」


「病気以外でも相談は乗りますのでお気軽に来てください。他に聞きたいことはありますか?」


「いえ、今のところはないです。ありがとうございました」


 そうして相談も終わったところで一人の青年がやってきた。


「あれ?姉ちゃん彼氏?」


「違うわよバカ!この前挨拶に来てたコウタさんよ。家畜の飼育について相談に乗っていたの」


 この青年はニーナさんの弟のジョン君である。年齢は17歳で少しお調子者な面があるけど仕事に関しては真面目にやってるらしい。茶髪の短髪で身長は俺より少し低めで170cmくらいだろう。

 ついでに言うともう一人下に次女のメイちゃんもいる。メイちゃんは12歳で普段は同年代の子と遊んでいる。もちろん母親もいる。リサさんといって普段は家事と近所で井戸端会議をしている。


「冗談だって。コウタさんどうも。こんな姉ですけど今後ともよろしくお願いします」


「なんでアンタが私のことをお願いしてるのよ!」


 そんなこんなで姉弟のじゃれあいを眺め、ナッシュ牧場をあとにした。まだ時間はあるしクリスさんのところに行こう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る