第一章 物騒なプロポーズは突然に④
気が付くと、ガラスで覆われた
そしてガラスの向こう側に立つ人々が、フェルマータのことをまるで見世物を見るかのような目で
「魔女」
「
「【
やめて! 私は魔女じゃない! そんな呼び方しないで!
「婚約
ケビン、あなたまで……! 私はあなたの代わりに呪われたのに!
愛していた人の姿まで見つけてしまい、フェルマータの胸は
けれど、その寸前で頭上からサラサラと何かが降ってきた。紅い砂である。
そう。フェルマータは砂時計の中にいたのだ。
ダメ! 砂が落ち切ったら死んでしまう! 私、まだ死にたくない!
けれど、魔女と呼ばれるフェルマータを助けてくれる者などどこにもいない。
たった一人を除いて。
「聖女。生きたくば、俺の妻となり、俺の呪いを解き、俺を殺せ」
金色の
「
砂時計のガラスにピキピキと
● ● ●
どのくらいの時間、飛竜で移動していたのか分からない。
フェルマータの
その間、呪われた砂時計の中に閉じ込められるという悪夢を見ていたのだが、目が覚めた時に掴んでいた手は、夢に出て来た隻眼の騎士と同じものだった。
「ひっ! 【不死の狼騎士】!」
「手を掴んできたのは貴様の方だ」
【不死の狼騎士】ことヴォルフは、全身
そして、同時にフェルマータは気がついた。今、自分がヴォルフにお
「キングサイズのベッド……!」
(なんだこれ)
「思わず
フェルマータが「は?」とヴォルフを彼の
(こんな
フェルマータがそう
「きゃっ」
意図せず、
フェルマータは、
「ちょちょちょちょ、ちょっと待って!」
「今日は、俺と貴様の
「めっ、めちゃくちゃなこと言わないでよ!」
「ふむ。めちゃくちゃにしてくれ、の言い間違いか?」
この
もしや、この赤面が照れた喜びの顔に見えているのだろうか。いやいや、そんなことあってたまるか。
「誰が、【不死の狼騎士】なんかと……!」
「
ヴォルフのひんやりとした右手指が、フェルマータの
フェルマータが不本意ながらも思わずドキリとして言葉を
(あ、これ流されちゃうやつ……)
ヴォルフの右手
その時だった。
寝室の
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