プロローグ 死神と呪いと薄命聖女
「許さない……! 私を呪った【死神】を。裏切ったケビンと国の連中を……! 返してよ! 地位も、
フェルマータ・ルークライトの
それは、三年前のナギア王城でのとある出来事だった。
王城
「ケビン様、今なんと?」
「何度でも言おう。
(ちょ、みんなの前で何言っちゃってんの? ケビン様ってば、
つい、「ドッキリ大成功!」を期待したフェルマータだったが、さすがにこの場でそれは有り得なかった。
ケビンを
「呪われたことが原因ですか? 私はあなたを
「恩着せがましい
「そんな……!」
あの甘々だったケビン様が、この私を
そして、周囲のモブ貴族たちもひそひそとフェルマータの悪口を
「呪いがうつると困るわ。離れましょう」
「人の皮を
「呪われたのがケビン王子じゃなくてよかった」
(丸聞こえよ、恩知らずども! 私がどれほど国に
王子の
「そんな目で見るな! 私は守護聖女よ!! この国で一番の聖女なんだから──!!」
けれど、フェルマータの呪いの
フェルマータ・ルークライトは婚約者の王子を庇い、【死神】に
このナギア王国は、被呪者を人として
そう。フェルマータはもう死に人同然だったのだ。
(お願い。誰か、私に生きていていいって言ってよ……)
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