第18話 新メンバー

【桃花】視点


「彼が私のパートナーだ」

「【臼井 春人(うすい はると)】です。桃から話聞いて面白そうなので加入よろしくです」

「どうだ、飛び切りのを連れて来ただろう!!」


臼井春人、彼は私の母の姉の子供で、所謂、従弟(いとこ)だ。

年齢は1歳下で、同じ大学に通っている、現在、1年生。

王子とあだ名されるほどキラキライケメンらしいが、私にとってはただの従弟でしかない。

モテるのに恋人がいないこともあり大学でファンも多いと聞く。

片思いの女性が居るとのことで、その彼女振り向かせたいので恋人とか作る事は無いと言っていたが、私がこのゲームに参加するパートナーとしてお願いできそうななのは彼しかいなかったので駄目元でお願いしたが、昨日聞いたSGルールとメンバーの事を説明とどうやら猿渡と知り合いらしく最初渋っていたのに参加をOKしてくれた。

春人が猿渡を見ると猿渡が少し顔を歪めているのであまり良好な関係では無いのかもしれない。

そんなことを考えていると犬塚が質問してきた。


「有名人連れて来たな。如何いう関係?」

「従弟だ。彼もフリーだが良いよな?」

「有名だから知ってる。逆に恋人居れば姫宮不要になるぞ」

「まぁ確かに・・・」


少し雑談を交えそれぞれの自己紹介を行いSGについて話し合った。

メンバーが増えたことにより、ルールを一部改訂してリスタートとなった。


旧ルール

【1】 計3回、2週間ずつ恋人を交換してローテーションすること

【2】 期間中は交換相手を本当の恋人として接し行動すること

【3】 全ての行為は自己責任であるが、期間内に起こったことはお互い不問とすること

【4】 問題が発生した場合は発生が判明した時点で全員に報告し皆で協議すること

【5】 それぞれ持ち点10で3人で割る形で評価し、3人の合計点で1位、2位、3位と一巡毎に評価するが、途中はあくまで途中の評価で、最後に本当の順位付けをして終了とすること

【6】 期間終了後に問題が発生してもお互いに恨み辛みを持たないこと


新ルール

【1】 計2回、1週間ずつ恋人を交換してローテーションすること

【2】 期間中は交換相手を本当の恋人として接し行動すること

【3】 全ての行為は自己責任であるが、期間内に起こったことはお互い不問とすること

【4】 問題が発生した場合は発生が判明した時点で全員に報告し皆で協議すること

【5】 それぞれ持ち点10で4人で割る形で評価し、4人の合計点で1位、2位、3位、4位と一巡毎に評価するが、途中はあくまで途中の評価で、最後に本当の順位付けをして終了とすること

【6】 期間終了後に問題が発生してもお互いに恨み辛みを持たないこと

【7】 新規メンバーが問題を起こした場合その時点で二人ともリタイアとすること(他の漫バーも続けるかは問題発生時に協議)


変更点としては期間の短縮と私たち新規メンバーのことだろう。

行っている行為が行為なので、本当にルールが緩くザルであるのがまた面白い。

飲み会である程度みんなが酔った状態で決めたとのことだが、「トラブルが発生しないとかあり得るのか?」と思ってしまう。

問題を何処で問題と捉えるかが難しいが、私のトラブル検知のセンサーがビンビンに反応しているので既に問題発生しているのではないだろうか。


【春人】視点

「仁ちゃん久しぶり」

「この年でちゃん付けとか辞めてくれ。」

「分った。仁さん」

「礼子の」

「今はその話は止めよう・・・」

「・・・分った」


久しぶりに会う仁ちゃん改め仁さんは大分変ったようだ。

以前はもっと内気で優しく大人しい性格だった。

見た目もかなり変わっているのですれ違っても分らなかっただろう。

名前を聞いてもしやと思ったし、俺を見て顔を歪めたから多分間違い無いだろうと直感で感じ「久しぶり」と言ったが否定しないので合っていたことが分かった。

桃から名前を聞いて驚いたし、会ってみて合っていたことを知り世の中は狭いと感じた。

大学は学年、学部、サークルなど活動場所が違うだけで全くと言い程関わりの無い人と会う機会は少ないし仁さんがこの学校に居る事さえ知らなかった。

「礼子」の名前を出したがやんわりと否定されたが後日話すこととなるだろう。

桃からスワップを言い出したのが仁さんだと聞いて驚いた。

でも昔からその片鱗があったのかもしれない。

仁さんは目的達成の為なら妥協しないところが昔からあった。

調べる・考える・行動する・試すと色々と努力して試行錯誤し初志貫徹する一方で、自分が損をしても目標達成を優先するところがあった。

この狂ったゲームももしかしたら目標達成のための何かなのかもしれない。


 樹・静夏、仁・桃花、真司・秋穂、春人・雪美の組合せでリスタートとなった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る