第16話 GAME 【真司】【秋穂】

【真司】視点

今日からパートナーが秋穂さんとなる。

静夏以外はさん付けとさせてもらったが、特に批判も無く、秋穂さんからも「個人の自由なのでお好きにどうぞ、私は君付けで」と言われた。


「静夏外はさん付けで呼ぶとか」

「重いかな?」

「私も同じ考えだから共感が持てるって言おうとしただけ」

「そうか・・・そういえば、前のパートナー仁だよな・・・」

「そうだけど?」

「SGについて話したか?」

「話したわ」

「目的とか何か言ってた?」

「言ってたけどプライベートなことだから私から言えない」

「そうか・・直接」

「仁君が話すと思う?」

「多分・・・いや、話さないだろう」

「だろうね~私もよく聞けたと思うし」


仁は見かけと違いチャラくはないし口が堅い。

物事を柔軟に対応し、物腰も柔らかいしかもイケメン。

でも、SGもそうだが雪美さんへの告白とか予想外な行動もする。

そんなびっくり箱の様な男だ。

まるで雲の様な掴み処が無いところもまた人気なのかもしれない。

ミステリアスな男は恋人が居てもモテるのだろう。

そんなことを考えていると、秋穂さんが話を振ってきた。


「そんな事より、SGで一巡時の順位上げる為に行動しないのかな?」

「え?如何いうこと?」

「如何いうことも何も、SGはゲームよ。スワップは置いといても疑似恋愛ゲーム」

「ゲーム・・・」

「そそ、ゲームに勝つ気は無いってこと?」

「まぁ3位は嫌だな~何かダメ男認定されたみたいで・・・」

「だよね~私も3位は嫌かな~だからアドバイスしてポイント稼ぎ、それにどうせなら楽しまないと!」

「まぁその通りだ、清く正しく楽しくで!」

「中学生の恋愛みたい(笑い)」

「今どきの中学生は進んでるぞ」

「オジサンみたいなこと言ってるね~」


確かに3位とか嫌だ。

ゲームと考えると女性陣を楽しませないと評価はしてもらえないだろう。

考えてみると静夏の事に気が行っていて雪美さんの時には特に何もせず時間だけが過ぎた気がする。

あ~これはヤバいぞ、一巡目の順位が3位なのが確定した気がする。

二巡目以降の順位の為にもここからは考えて行動しよう。


【秋穂】視点

みんなやっぱり仁君の今回の行動を怪しんでいるのだろう。

プライベートなことと言ってはぐらかした。

同盟の事も伏せて話せた。

ゲームなのだから伏せても問題無いはずだ。

私にもある目的が出来たし、ゲームとして楽しみつつ目的クリアーを目指そう。

そして、SGの順位の事とかを真司君は何も考えていなかったようだ。

付き合い始めて間もないのにSGとか真司君・静夏の二人には酷な話だっただろうし、旅行中も真司君は特に静夏に気が行ってた感じがするから少し煽ってみた。


「それで、具体的に何をすればいいのかな?」

「それを私に聞く?」

「え?アドバイスしてくれる流れじゃないの?」

「違うよ~忘れているようだけど、『恋人として接し行動すること』だよ。ルール忘れた?」

「あ~覚えて入る・・・」

「真司君は恋人に『如何すれば良いですか?』とか聞く人なんだ~」

「うっ・・・面目次第もない・・・」

「まぁ仕方ないな~お姉さんが提案してあげよう」

「お姉さんって同じ年じゃんか」

「女性に年齢言うとかマイナスです!!」

「え~厳しいな・・・」

「まぁいいか、映画にする?カフェでもっと話す?それともわ・た・し?」

「わたしって選んだらどうなんだよ・・・」

「え?私帰るけど?そしてマイナス50点」

「カフェでお願いします・・・」


高校時代から弄りがいのある人だ。

樹と付き合い始めてからも結構な割合で3人で行動していた。

彼のこの気さくさがあったからこそだろう。

その後カフェで樹と仁君が如何いったことをしてポイントを稼いでいるか少しだけ教え、今後考えて動くように言っておいた。

後日、私も手料理を振る舞い真司君のポイント稼ぎをした。

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