第12話 「人間」ばかり見過ぎた高野悦子さん

  大自然はみな孤独。

高野悦子さんは、せっかくワンダーフォーゲル部に入ったのに、そこでも人間関係ばかりに気を遣っていたのでしょう。一人で自転車に乗って嵐山へ行ったりしていたようですが、もっと、身近にある公園の樹木や小川の蛙や亀にでも感情移入していれば、大自然の心に触れて、もっと孤独を楽しめたであろうに。

ただ、高野悦子さんの孤独とは、真理に行き着くための戦いであったわけですから、彼女の懊悩は決して無駄ではなかったのです。

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