初めましての小細胞肺がん

2022年5月6日。

検査の結果は「小細胞肺がん(ステージ1B)


母からの電話連絡で初めて憎きその名を聞いた。


まず検査の結果が癌で確定したことにショックを受けた。

そして電話を切った後にすぐに「しょうさいぼうはいがん」で検索した。



小細胞肺がんよ…初めまして。

君とは出会いたくなかったよ。

出来ることなら存在を知らないままで過ごしたかったよ。


小細胞肺がんは非常にタチの悪い癌だということ。

非常に進行が早く、5年生存率も他の癌に比べて著しく低いということ。

そして手術できる状態で見つかることは稀であり、見つかった時には手術が出来ない状態であるということ。


なんと父は奇跡的に手術が可能であり、今のところ目に見える転移もなく、まさに不幸中の幸い状態だった。

昨年から小細胞肺がんと診断された人の中で、その医療センターで手術可能だったのは父だけだったそう。

それほど小細胞肺がんの早期発見は奇跡的なことだった。


手術さえ出来てしまえば生存率もグッとあがる。

未来は明るい!絶対大丈夫だ!

不安な気持ちをかき消すように、「小細胞肺がん」「ステージ1B」「手術可能」「ステージ1の生存率」など検索をかけまくって、私のGoogle履歴は小細胞肺がん一色になった。


手術まで検査や準備も含め3週間ほどかかる。

明日にでも早くしてほしい!という思いはもちろんある。

進行が早いのならなおさら焦ってしまう…がしかし患者様はうちだけではない。

それとコロナ禍で病院側も大変な時期だ。


一番辛いのは本人であって、これから3週間に間、体内に癌がいることを認識して過ごさなければならないんだから。

気持ち悪いよね。

でも大丈夫だよ!ステージ1の早期発見だもの。

だけどもうたばこはやめようね。


父は肺がん告知をされたその日に、今まで吸っていたたばこを木箱に入れてテープでグルグル巻きにしていた。

それはまるでたばこの棺桶のようだった。





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