第5話 10月1日
気がつくと祐介は病院のベットで目を覚ました。
看護師の話によると、悲鳴を聞いた隣室からの通報により救急車が呼ばれたのだと言う。
救急車によって病院へと運ばれたのだと彼は、レントゲンをはじめとした、様々な検査がおこなわれた。そして、胸元に大量の出血が確認されたため、緊急の手術が行われたのだった。
出血の原因は、はじめ血管の破裂だと想定されていた。だが、いざ手術をはじめると、体の内側だけを刃物に刺されたかのような状態であり、不可解で緊急的な状態だったのだと話した。
話しを聞いている間に、胸にするどい痛みがはしる感覚があり、看護師の話しは身をもって実感していた。
そして、看護師は去り際に『箱はそこの棚に置いておきますね』といって去っていった。
看護師の話しを聞いて、背筋が凍る思いをしつつ、祐介は置いてあると言われた棚へと、ゆっくりと視線を動かした。
そこには確かにあの箱が置かれていた。
恐る恐る箱へと手を伸ばし、箱を手に取ると、ちょうどカッターナイフを差した部分が黒く染みになって汚れていた。
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