最終章 桜と共に
第1話 朧げな空
『チッ……まさか先に手をつけられていたとはな。たが、この力は誰のものだ?』
天陽の神々の中に、これほど強力な力を扱う者は居なかったはずだ。
眼下に広がる黒紫の雲を眺めながら、おれは舌打ちをした。
『器とやり合った際、手足を持っていかれたのには驚いたが、まさか一度ならず二度までもおれの腕を崩壊させるとは』
器は黒紫の中へ引きずり込んだ途端に意識を失ってしまった。
黙っていてくれた方が運ぶのが楽だと、少し気を抜きすぎたか。
奴が掴みかかった時と同じように、奴の上着のポケット部分が青白く輝いたかと思った途端、奴の身体を支えていたおれの腕が崩れ落ちた。
『幸いこちらの世界に戻っていたからすぐに再生出来たものの……』
あの力……おれをこのハクスイの身体から引き剥がすように感じた。
問題なのは、あの力を器が意識的に使っているのかどうか。
つい先程の、二回目の発動の様子を見る限り、恐らく無意識的か、または外部から作用させて力を発現させているのだと思うが……。
まぁいい。
いずれ探し出してからじっくり調べれば良い。
どうせ奴らにここを見つけることは出来ないだろう。
こちらには、奴の片割れもあるし、女狐の心核をも手に入れたのだ。
焦ることはない。
⟡.· ⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ ⟡.·
『ここ、どこなんだろう……確か私はハクボクに連れ去られて……それから……?』
気がつけば私は地面に横たわっていた。
ハクボクはどこに行ったのだろうか。辺りを見回してみても、彼の姿は無い。
というか、彼の姿どころか、そもそも人の気配すらない。
あの黒い霧の中に引きずり込まれた時に視界が真っ黒に包まれたあと、どのような道を辿って今いる場所に辿り着いたのかが分からないけど、今私が居る場所はどこか遺跡のような場所のように思えた。
というのも、どの建物も屋根の部分を支える柱や、屋根そのものまでが苔や蔦で覆われていて、そのほとんどが全て崩れ去っていたから。
どう見てもここに住んでいる人なんかいるはずがないと、パッと見てすぐに分かった。
音も無いし、ほとんど光も無い。
唯一私の視界に色を与えてくれているのは、頭上から零れ落ちてくる淡い光。
真夜中に月明かりだけを頼りにして歩いているのと似た感覚に陥る。
『ポケットの中の勾玉も抜かれてないし……身体もどこも痛くない……』
だとしたら、彼はどうして私をここに放置したんだろうか?
とりあえず、ここにずっと居ても仕方がないし、ここがどんな場所なのかが分かるような手がかりを探してみようか。
『それにしても不思議な空だなぁ』
まぁあの黒い霧の中に飲み込まれたこと自体、現実離れしているから、今更驚くような話でもないんだろうけど。
普段の空はのっぺりとした青空が広がっていて、時々雲がかかることで空の奥行を感じたりするけど、今私が見あげている空は、空自体がユラユラと揺れている。
その中に光る淡い黄色の光は、まるで湖面に映った月が、波の動きに合わせて揺らめいているようにその輪郭をぼやけさせている。
『なんか、プールで潜った時に水の中から水面を見上げた時みたいな感じだね……これはこれで綺麗なのかな』
そんな風にぼんやりと空を見上げたり、見慣れない古都の景色に目をやり、途中転びかけたりしながらも、しばらく歩いていると、どこからか声が聞こえたような気がした。
『なんだろう……今何か、人の声が聞こえたような気が……』
一度声が聞こえた瞬間は息が止まるかと思ったけど、もう一度耳を澄ましてみると、どうやら女の人のような声であることがわかった。
『ハクボクの仲間……?』
でも、オシトナさんからは、奴はツナグと一緒に行動してるってことしか聞いてない。
それに、そのツナグはもうハクボクの元を離れている。
だとしたら一体誰なのか。
人が住んでいないと思っていただけで、実はまだこんな場所にも残っている人が居たとか……?
その声に怯えながら、とりあえず近くにあった木箱の物陰に身を隠していると、またポケットの中の勾玉がブルブルと震えているのに気がついた。
しかも、それは女の人の声と連動して震えているように思える。
『もしかして、この声の方に行けって言ってます……?』
嘘でしょ……怖いなんて言ってられないのは分かってるけどさ……。
薄暗く、ぼんやりとしか視界が確保されていない中で、声だけが聞こえてきている状況でその正体の元へ向かえだなんて。
お化け屋敷で、お化けの声が聞こえてきたのに、敢えて自分からお化けの位置を探っていくのと同じことでしょ……!?
でも、今の頼りはオシトナさんからの情報しかないし……。
はぁ……仕方ない。頑張るしかないよね。
小さな勇気を振り絞るために、私はポケットに手を突っ込んで、中の勾玉を握りしめながら立ち上がった。
勾玉は勇気を与えてくれただけじゃなくて、女の人の居場所まで教えてくれた。
T字路に当たってしまった時なんか、勘で左に曲がってみたら、さも「そっちじゃない」と言わんばかりに激しく振動して、そこからは勾玉から光の線が飛び出して、進行方向を指し示してくれた。
最初から教えてくれても良かったのに……。
そうこうしていると、比較的他の建物よりも大きめな空き家の前に辿り着いた。
光の線は、玄関の戸が僅かに開いている隙間、その中を指していた。
『え〜……ここに入れってこと……?』
あまり気は進まないけど、ここまで来たら最後まで行ってしまえと、なんとか扉の隙間に身体を滑り込ませた。
お狐様が私の身体から離れたからか、胸のサイズが悪戯される前くらいの、程々の大きさに戻っていた。とはいえ、多少扉に擦ってしまったけれど、それでも何とか通ることが出来た。
中に入ってからは、勾玉が薄らと光ってくれたこともあって、頭をぶつけたり転んだりすることもなく、建物の中を探索することが出来ていた。
衣装の袖の部分を口元に当てて、埃臭さを我慢しながら進み、そうして建物の一番奥の部屋まで来ると、勾玉の光は床の一点に突き刺さっていた。
しゃがみこんで勾玉を床に近づけてみると、床板に切れ目が入っていることが分かった。
『えぇ……地下に行くの?ただでさえ地下みたいな場所にいるのに……?』
ぶつくさ言っていると、また勾玉が揺れた。それに加え、なんだか光が弱まってきている気もする。
『分かりました!ちゃんと行きますから……!!』
慌ててそう口にすれば、またじんわりと明るく床を照らしてくれた。
『オシトナさん、楽しんでたりしないよね……?』
じとりとした目で勾玉を見つめてみても、なんの反応もない。
分かってますよ。行きますってば……。
床の切れ目に指先を引っ掛けて、力を少し込めてみると、床板は案外軽い力で開けることが出来た。
古びた場所だったから、湿気ていたり膨張していたりしてなかなか上手く外れないんじゃないかと思っていたけど。
やはりこの先に人が居て、その人が頻繁にここを使って出入りしているということなのかもしれない。
でも、ここまでして一体何から隠れているんだろうか。
『こっちだ。そう。真っ直ぐだ。……やっと我の声を聴くことができる者が……って、お前まさか……!!』
床板を外すと、そこにはさらに深い闇の中へと繋がる梯子が掛けられていた。
恐る恐る下へ、下へと足を踏み外さないように慎重に足を伸ばし、やっと足の裏に地面の感覚を覚えた時に、闇の奥からそんな声が聞こえてきた。
少し強気な大人の女性のような声だった。
そして、その女性の次の言葉に私は驚いて足を止めた。
『お前……リオか!?どうしてここに来た!?』
『なんで……私の名前……』
でもその声にはどこか、私がここに来たことを咎めるような怒り……それに、どこか悲しみも含まれていたような気がして、さっきまでの恐怖や不安よりも、疑問の方が勝った。
『おい!聞いておるのか!?お前……は、待て……どういう……?』
梯子を降りた先は、手で掘り進めたような岩肌が広がる地下通路となっていて、しばらく進んだところで、その壁に鉄格子がはめられていた。
その女性は、まるで牢獄のような、そんな場所に閉じ込められていた。
鉄格子の前に立つと、その女の人は私の姿を見て困惑していたし、私も彼女の姿を見て、少しだけ動揺した。
檻の中に居た女性は、既にボロボロになってところどころ破けてしまっているから分かりづらいところもあるけど、巫女服だったであろうものを身に纏っていた。
勾玉の光で照らしてみると、下の袴は紫色で、徐々に上半身の方へと光を向けていると、その長い白銀の髪と、それに見え隠れしている大きな尻尾、そして頭部には力無く垂れている大きな耳が。
『お狐様と似てる……もしかして、貴女が恋夜様……?』
私が口に出すと、その言葉だけで彼女は私の事が分かったみたい。
『……そうだ。我が恋夜だ。まさかお前が白魂の民だったとは……我でも気がつけぬとはな。道理で莉桜の気配がするわけだ。……久しいなとは言っても、お前は我と会うのは初めてだろうけどな』
『どういう……?』
『なに、お前の身体が変化したばかりの頃、我が勝手にお前のことを見守っておっただけだ。ついでに光輝にも挨拶したが……やはりあやつは我ことを覚えておらんかったな』
そう言って恋夜様は俯いた。
その動きに合わせてジャラジャラと音が鳴る。
彼女の全体に光を回してみると、恋夜様はその手足を重厚な鎖で拘束されていた。
本当に、ただ勝手に身体が動いただけだった。
キィ……
『なっ……まぁ、そうか。今のお前には僅かとはいえ莉桜の力が備えられている。それに、外とは違ってこの場所ならば尚更力が伝わりやすいからな』
助けなきゃと鉄格子を握る手に力を込めた途端、鉄格子にはめられていた南京錠がガシャンと外れて地面に落ちた。
そうして私は難なく鉄格子の中へ入ることが出来た。
『くくく……何故お前がここへ来られたのかは謎だが、結果的に我とお前が出会えたことは幸いだった。これでここから抜け出すことが出来るだろう……奴の慌てふためく顔を思うと笑えてくるな……』
私が恋夜様の指示通りに『鎖よ外れろ』と心の中で強く思うと、その瞬間に恋夜様を繋ぐ枷から鎖が外れた。
長い間私の中にお狐様が居たことと、元来私が持っていた体質によって、今の私はお狐様と似たような力を使うことが出来るらしい。
そして、今いるこの空間は、私たち人間が住む世界よりかは、お狐様たちが暮らしている世界の方に近いらしく、それもあって力の効力が発揮されやすいみたい。
もっと上手く力を使えたら良かったんだけど、そもそもどうやって力を使うのかなんて分からないから、恋夜様が言う通り『願う』ことしか出来なかった。
でも、恋夜様が言うには、このお狐様の力が使える私と恋夜様が出会ったことで、この空間から元の世界に戻れる可能性が格段に上がったのだとか。
『恋夜様もハクボクに捕まってたんですか?』
『ああ。莉桜がお前の身体に居ることが分かってから、その身にあいつを宿しているお前を見守ることにしたのだが、同じようにお主に対して好奇な目を向けている者が居ることに気がついてな……』
闇に堕ちた低級の精霊が私に近づこうとしていたことに気がついて、それを祓おうとした恋夜様だったけど、それが実はハクボクだったみたい。「認識」の力で低級の精霊だと思わされていたんだって。
『本調子の莉桜が居て、我も本来の力を取り戻しておれば、あんな奴に遅れをとることなどなかったのだがな……』
お狐様はケガレを落としたばかりで、心核もまだ小さく、私の中で力の回復に務めていた。
そして、恋夜様も封印されていたとはいえ、岩の中から外の様子は見ていて、昔と比べて人間に対して危害を加えるような精霊たちもその数を減らしていることから、現代では最低限の力さえ備えていれば良いだろうと、完全復活までいかない状態のまま出てきてしまっていたらしい。
『そっか、お狐様はわたしの中でちゃんと休めてたんですね……』
『おや、自分の身体を勝手に使われていたと知っても怒らないのか?』
『怒るだなんて……むしろ、いつも私のために力を使ってくれてばかりで、ちょっと申し訳ないなって思ってたんです』
『……なるほど。莉桜がお前に引き寄せられたのも頷ける。本当に奴とそっくりだな』
そう言ってクスクスと笑う恋夜様と共に、地下通路の奥へと進んでいくと、次第に足の裏に傾斜を感じるようになり、その緩い斜面を登っていくと、またあの湖面の空の下へと出てこれた。
先程とは周囲の風景が変わっていて、先程よりも建物の規模は小さく、そもそも建物だったかどうかもちょっと怪しいくらいの、苔にまみれた木材の残骸が点々と残されている場所に出た。
けれど、私にはそこが不思議と懐かしく感じられた。
その残骸の配置、それにこの道の別れ方。
『これ……夢の中の……過去の私たちが住んでいた集落じゃ……』
『見覚えがあるのか?』
恋夜様が言うこの世界から出る方法は、この世界のどこかで、私たちが「ここが出口だ」と認識できるような場所で、私が「外へ出たい」と願い、恋夜様がその願いの力を増幅させること。
であれば、私はこの集落の出口を知っている。
ここが本当にあの集落と同じ場所なのであれば、ツナグと共に毎日お兄ちゃんを見送っていたあの門が……。
『あった……』
『よくやった……!!早く願え!!想像するのだ!!』
『は、はい!!』
私は目を瞑って、勾玉を握りしめ、そして、頭の中に皆の笑顔を思い浮かべた。
家の玄関を開ければ、母さんたちが「おかえり」って言ってくれる。
学校に行けば、光輝くんたちが「里桜!!」ってたくさん名前を呼んでくれる。
あの場所に……また……!!!!
次第に私たちの周囲に風が集まり始め、付近にあった建物の残骸がガタガタと動き出すと、いくつかの木材が私たちの目の前に飛んできて、それが大きな観音開きの扉になった。
『あとはこの扉をくぐるだけだ!さぁ、小娘、お前も早く……!!』
恋夜様が先にその扉をくぐり、私に向かって手を差し伸べてくれた。
もう二度と帰れないかもしれないと思っていたのに、案外早く帰ることが出来そうだと、少しばかり拍子抜けしたところあったけど、それでもみんなの元に帰ることが出来ると思えば、やっぱり胸の当たりが暖かくなってくる。
『恋夜様……?』
そうして私も少しだけ浮き足立ちながらも、その手を掴もうと顔を上げると、目の前の恋夜様の表情がみるみる焦りに満ちたものへと変わっていった。
その視線の先を追うように私も振り返ってみると、そこには両目とその口を大きく曲げ、狂気じみた笑顔を浮かべるハクボクの姿があった。
彼の身体は小刻みに揺れ、その直後には手足の関節が人間としては曲がってはいけない方向に曲がりだし、歪な四つん這いの姿勢をとり始めた。
『まずい!!早く来い!!』
恋夜様がそう言った瞬間、こちらに物凄い速さで駆け出したハクボクは、その手に黒い光を収束させると、それらを束ね、私たちを狙って黒い閃光を放った。
『きゃあっ!?』
その黒い閃光は私が手にしていた勾玉を直撃し、それによって勾玉が二つに割れてしまった。
地面に落ちた勾玉は二つの大きな欠片となってしまったけど、それでもまだ、弱々しくも光を放っていた。
『……拾わなきゃ』
『おい!!何してる!?そんなものはどうだっていいだろ!!早くこちらへ戻ってこい!!』
恋夜様が何か怒鳴っている。
けれど、私はこれを拾わなきゃいけないんだ。どうしてかは分からないけど、どこか遠くから、恋夜様とは別の声で、この勾玉を拾えという声が聞こえた気がした。
そうしてその欠片を拾い上げたところで、私は再び意識がハッキリとしだした。
けれどもうその時には、目前までハクボクが迫ってきてしまっていた。
私は必死に扉へ向かって走った。
『恋夜様、これ皆に渡してください!!絶対、絶対ですよ!!』
『何を言ってるんだ……お前、まさか!!』
恋夜様にその欠片の一方を手渡して、無理やり握らせて、私は力いっぱいにその扉を閉じた。
向こうからはドンドンと扉を叩く音が聞こえてきたけど、私はすぐに願った。
『恋夜様をお狐様の元に送り届けて!!!』
切羽詰まっていたからか、余程強く願うことが出来たみたい。
その扉は瞬時にその場から姿を消した。
『なんとなくだけど、分かりましたよ……』
『器ごときが……!!やってくれたなぁ!!!』
ハクボクの長い指から、その黒く汚れた爪が私が手にしているもう一つの欠片目掛けて伸びてくる。
きっと、この勾玉がハクボクに対抗する唯一の希望になるんだ。
それなら、私みたいな偽物の力じゃなくて、本物のお狐様と恋夜様が力を合わせて、この勾玉の力を引き出した方が有効打になるはず。
そして、私がもう一つのこの欠片を何とか守り抜くことが出来れば、この勾玉の力を辿って戻ってきてくれるはず!!
『待て……何をしようとしてる!!やめろ!!!!』
やっぱり、焦ってる。
さっき、恋夜様が言ってた。
私の体質によって、既に離れたはずのお狐様の力が私の身体に残ってるって。
ってことはさ、きっと私の身体はお狐様たちみたいな存在の力を蓄えられるってことでしょ?
それに多分だけど、だからこそハクボクは私のこの身体を狙ってきてるんだよね?
だったら、私はこの身体を使ってこの勾玉を守ってやる!!
ごくっ――
『……!?うぅっ……』
私はひと思いにその勾玉の欠片を飲み込んだ。
過去の夢の中でだって変な石ころ飲み込んでるんだからと、半ば開き直っていた。
いざ勾玉を飲み込むと、その瞬間に身体全身が焼けるように熱くなったのを感じて蹲ってしまった。
けれど、その直後私からあの勾玉の光が放たれて、その衝撃でハクボクは後方へと吹っ飛んで手足が引きちぎれていた。
とはいえ、すぐにその身体は修復を始めていて、なんなら身体の周りに集まり始めた黒い泥まで使って身体を補強していて、既に立ち上がろうとしている。
私は私で、身体の熱が収まったかと思うと、体の内側から次々と力が溢れだしてくるような感覚を覚えた。
『なんだぁ……その首筋の紋様は……そんなもんついてなかっただろうがぁ!!』
ハクボクが何やら騒いでいたけれど、自分の首筋なんて鏡がなきゃ見えない場所だから、そんなこと言われても、今の私には自分の身体にどんな変化が起きたのかが分かっていない。
けれど、やることは明確だ。
『あんたなんかに捕まらないから……!!』
『鬼ごっこか……?良いだろう……もう油断しない。遊ぶのはもうやめだ。確実に追い詰め、二度と意識が浮上しないよう封じ込めてやる!!』
これだけ広い場所なんだ。
それに、あいつの方が身体が大きい。
狭い場所とか低い場所なら見つかりづらいでしょ……。
幸い建物の残骸は沢山あるわけだし、隠れながらあいつから逃げ回ろう。
お狐様たちが来てくれるまで、何とか踏ん張るんだ……!!
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