第6話 働く女性いろいろ

 時間を戻しまして。最初に働いたお店で成績表が貼られていたことをお話ししましたが、そのお店では毎月毎月、1位と2位の女性はほぼ固定でした。しかも3位以下の女性との指名数の差がすごかったので、私は心の中で「不動のツートップ」と呼んでいました。お二人とも私より大分年上の方でした。

 1位の女性は、恐らくですがすべてのお客様に恋人モードで振る舞える方だったんだと思います。接客をすごく丁寧にされていて、全身リップ(女性が男性の全身を口で愛撫するプレイ)の時お客様の背中までするというお話を伺ったことがあります。同じお店の女性の中で一番気さくに話しかけてくださる方で、ロッカールームや待合室で居合わせた時にはよくおしゃべりしていました。

 2位の方はエステ通いを頑張っておられる方で、美貌を保っておられることによって人気を維持しておられるのかなぁ、と私は勝手に思っていました。あまりお話ししたことないので本当のところは分かりませんが、1位の方とはまた違った魅力をお持ちの方でした。


 しかし、ファッションヘルスにおいての人気とは、外見より接客の良さが一番、というのは言わずもがなな部分ではないかと私は思います。それは性格の良さにも直結していて、やっぱりランキングによく名を連ねる方って優しい方が多かったです。


 とはいえ、私は興味が募ってこの業界に飛び込んで、接客業として楽しんでやっているタイプの風俗嬢。お金が必要で仕方なく働いている方とはどうしてもスタンスや熱意などが違って、話が合わないことは多々ありました。この方素敵だなと、思い切って連絡先を交換していただいたものの、全然話が弾まずフェードアウトしてしまったこともあります。

 そもそもお店によっては、女性同士が仲良くするのを禁じているところもありました。これも聞いた話ですが、女性同士が仲良くなった場合、一緒にお店の悪口を言ったり、一緒に他のお店に移籍したり、金銭トラブルに発展したり、お店にとって良いことがないからだそうです。またはプライバシーに配慮して、女性が帰る時間などがかち合わないように、顔を合わせなくて済むようにしてくれるお店もあると言います。そういったお店は人間関係によるストレスが少なくて済みそうです。

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