第7話 転落の兆し

 最初のお店で働いていた時のこと、ある日風邪を引いて咳が止まらなくなりました。熱は下がったのに咳だけが治らない……。あわてて病院へ行くと、喘息にかかっているとのことでした。

 喘息!? 小さな頃からそんな症状全くなかったのに……。


 原因を考えてみると、どう考えても職場環境なんですよね。プレイルームにシャワー区画がくっついているので常に湿度が高く、部屋の隅にたくさんカビが生えている。建物が古くて換気扇がろくに仕事していないし、エアコンもかなり古くて掃除されていなさそう。よく水漏れしているし……。

 ある時お客様に、「このエアコン、すごくカビ臭いね。イチカさんが直接言うと角が立つかもしれないから、『お客様にエアコン掃除するように言われた』ってボーイさんに伝えてみたら?」と言われました。それはいい案だと思ってその通りにしてみたところ、「掃除してますよ」とのお返事。ほ、ほんとかな〜〜〜、と思いましたが、そう言われてしまうとそれ以上何も言えなくて、すごすごと引き下がりました。

 喘息って一度かかると基本的には治らないので、病院に通い続ける羽目になり、それは今も続いているんですが、お店に医療費請求したいくらいだなとよく思います。


 よくよく考えれば、この喘息にかかったことが、私の風俗人生の終わりを暗示する最初の出来事だったのですが、それはまた別の機会に……。

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