第4話 写メ日記とは

 第2話で「写メ日記」について少し触れました。風俗店を利用されている男性にはおなじみかと思いますが、私は業界に入るまでその存在について全く知りませんでした。

 お店にホームページには女性のプロフィール一覧が載っていますが、基本的には男性スタッフが書いていることが多いです。その点、写メ日記は基本的に、ちょっとえっちな写真を女性が自分で撮って、それを添えて自分で文章を書くものなので、読めばその女性がどんな性格でどんな体型なのか、などを知ることができます。

 初めてお店の男性スタッフに写メ日記を書くよう言われた時、みなさんどんなことを書いていらっしゃるんだろうと疑問に思い、同じお店の他の女性の写メ日記をあれこれのぞいてみました。その結果、みなさん大体同じようなことを書かれていらっしゃるな……と。もちろん全員が全員では決してないんですが、出勤されている方は「今出勤してまーす」、夏には「お部屋涼しくしてお待ちしてます♪」、冬には「一緒に暖まりましょう♡」、雨が降ると「足元お気をつけて来てくださいね!」といった調子で、定型文のような写メ日記を書かれてらっしゃる方はとても多いです。


 非常にもったいない!!!


 そもそも写メ日記というのは、お客様が女の子をリサーチするためのツールなわけですから、そこで自分の個性を出していかないと非常にもったいないと思うんです。しかも文章が短い方が多く、写真も胸元のドアップという方が多くて、これでは埋もれてしまうのでは、と思いました。なので、私はとても長々と写メ日記書いていましたし、写真もグラビアなどを参考にしながらできる限り工夫していました。

 よく、写メ日記って何を書けばいいのか分からない、というお悩みを聞くことがありましたが、本当になんでもありだと思うんです。趣味もないし休みの日は家にいるから書くことがない? でも最低でも考えごとはするでしょ?? 最近こういうことをよく考えます、みたいな内容でも立派な日記かと思います。

 例えば私は、読んだ本の感想や日頃考えていること、好きな大人のおもちゃや性感帯などちょっとえっちな話題、日々の出来事なんかをつらつら書いていました。そして写真は似たようなアングルでも服装を変えるなどして、同じものを使い回さないようにしていました。思えばここでも私のくそ真面目な性格が出ていますね。

 おかげで、「写メ日記を読んで楽しそうな子だなと思ったから来てみたよ」というお客様が多かったですし、「いつも読むのを楽しみにしてるよ」と言ってくださるお客様も多かったです。

 写メ日記と言えば、いわゆる「お礼日記」を書く方も多いです。これは「今日来てくださったY様へ 今日はありがとうございました。とっても楽しかったです!」みたいな内容を書くことなんですが、①関係ない方が読んでも楽しくない、②指名が入らなかった日にはそれがバレないように嘘のお礼日記を書かないといけない羽目になる、という二つの理由から私は書いていませんでした。もちろん私のやり方が絶対ではありません。ただ、こんな書き方もあるよということで、風俗嬢の方に参考にしていただければ幸いです。果たして他の女性がこんなエッセイをお読みになるのか甚だ疑問ですが。

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