第13話
「………ん?」
違和感。ドアから微かに、ガシャンと言う音が聞こえる。一旦考えていたことは保留にして、そこら辺に脱ぎ散らかしていた服を着てから玄関へ向かう。
「……出来たのか。さすがアリアナさんだな」
ドアに付けられている、郵便物を一時的に溜めておけるケージの中に、包装されている小さな物がある。
俺は、その中身を知っているため、包装を解いてからころんと、ブツを取り出した。
「………おい」
そして、形状を見て思わずそう呟いていた。
確かに、形はなんでもいいとは言った。ネックレスとか、ブローチとか無難にそこら辺に落ち着くかなとは思っていたが……。
「なんでわざわざ指輪なんかにしたんだよ……」
えぇ……?今からこれをリオーネに送るの?もう婚約確定じゃん。結婚待ったナシだよこういうの……。
「……覚悟、決めるしかないのかなぁ」
俺の目標は、いずれ死ぬこの命を、せめて推しのために使って散ること。
このまま、来てしまうリオーネの終わりの日に、彼女を庇って盛大に死ぬ。それが、俺がこの世界に産まれ落ちた意味だと思っていたが……。
お互いに好意をぶつけあった。彼女の様々な初めてを貰ってしまったし、俺も色々と捧げた。
……がんばる、しかないのかな。抗って、できるだけ長く彼女と一緒に居れるように────
「アーク様……?」
「リオーネ……!?」
ふと、彼女の声が後ろから聞こえる。その事に、慌てて振り返り彼女の元へとや向かう。申し訳程度に体を隠すように、制服を羽織っていた。
「あんまり無理するな……まだ、痛いだろう」
「いえ、痛くは無いのです……少し、違和感は感じますが、それ以上に、たくさん愛してくださいましたので平気です」
「……とりあえず、ベッドへ戻ろう。運ぶよ」
「あっ……嬉しいです、アーク様」
壁に手を付きながら立っていたリオーネの膝裏へ手を伸ばし、そのまま持ち上げてお姫様抱っこをする。その事に、リオーネは少しだけ頬を赤らめ、遠慮がちに首に手を回す。
優しく、ベッドの縁に座らせ、その前に跪いた。
「アーク様?」
「リオーネ、君に渡したい物があるんだ」
先程届いた、紫色の石が着いている指輪をリオーネに見せる。
「これは、君のために用意した指輪だ」
「アーク様……!?」
「リオーネ────俺のパートナーに、なってくれますか?」
学園の規定では、仮パートナーを卒業し、この先長い人生を共に歩んでいくパートナーを既に決められる。これを受け取って貰うことで、正式に、リオーネを俺のパートナーとして迎えようと思う。
それと同時に、俺も覚悟を決める。できる限り、頑張って瘴気に抗い、リオーネとこの先も人生を歩んでいくと。
どうせ近い内に死ぬ?リオーネを庇う?そんなものは知らない。最初はそれでいいと思ったが────もっと、彼女と一緒に未来を歩いていきたい。
「────はい」
リオーネは、優しく俺の指輪を持つ手を両手で握ると、美しくその顔を破顔させたのであった。
彼女の左手を下から支えるように持ち、指輪を────一瞬薬指に無意識的に嵌めようとしたが、まだこれは婚約指輪ではないので、中指へと嵌める。
ちゃんとしたものは、またいずれ……な。
「この指輪は、君の魔力を少しづつ吸い込み、いざと言う時に魔力障壁を展開してくれる便利な物だ」
そしてこの先、俺じゃ敵わないアイツから身を守るための最大の盾である。
それと同時に、この先のリオーネの人生を、俺という個人に縛られる呪いでもある。
「これかはも、よろしく頼む」
「はい……不束者ですが、どうぞよろしくお願いします、アーク様」
「けほ」
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なんかここ数日、PVと星評価の伸びがエグイけどなんで????
あれか?やっぱり濡れ場シーンの示唆をしたから?ふーん、えっちじゃん。
でも悪いな!まだRシーンは600文字しか出来てないんだ!これも崩壊スタ○レイルが面白いのが悪い
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