第10話
「ほんとっ………はぁぁぁ」
「おいおいなんだそのクソデカため息は。師匠に見せる態度じゃないよな?」
「あなたのせいですよほんと……リオーネ。この人の言ってることなんて無視していいから────リオーネ?」
「そ、そんな……き、ききききキスなんて……ま、まだ告白もしてしませんのに……っ!そ、そんな……!」
「…………………」
ヨシ!俺は今のは聞かなかったことにする!多分、しばらくしたらリオーネは再起動するでしょ。
それより、今はこのクソハゲドブスの処分をどうするか────お?
「あれ、いつの間に気絶……?」
「ん?あぁ、そのキモイオッサンならちょっと気絶させたついでに、記憶の方もちょちょっと弄らせてもらったぜ。なんかヤバそうな雰囲気だったし、100このオッサンの方が悪いっしょ?」
「まぁそうっすね」
リオーネの悪口を言ったからな。そこに例外は無い。気絶しているうちに、早くコイツのことを殺し────
「ちょーいちょいちょい。だから殺人はやべぇっての」
「あー」
銃口を向ける前に、またもやライオネル師匠の魔法によって浮かばされる。ついでに、スナイパーライフルの方も手から離れてしまった。
「ったく。今日はもう帰れ。久々の再会だったから、ゆっくり話したかったけど、そんな状況じゃないからな」
「えー。だってこいつ、リオーネのこと悪く言ったんだよライオネル師匠。絶許だよ絶許。今すぐ殺さなきゃ」
「このおっさんは俺が何とかするから!……あの子のアフターケアをしてやれ。大事、なんだろ」
「……そりゃズルいよライオネル師匠」
「だてに、十年もお前の師匠やってねぇからな」
リオーネの名前を出されたら、流石に何にも言えなくなってしまう。仕方ない。ほんっっっっっっっっっっとうに仕方ないけど、このクソは一旦ライオネル師匠に預ける。
でも、こいつを殺すことを諦めたわけじゃねぇからな。いつか絶対殺す。延びた寿命にせいぜい喜んでおくんだな!
「………一回だけ全力で踏ませて?」
「………一回だけだぞ」
「ふんっっっっっ!!!!!!!!」
「うっわぁ……」
「ふぅ。危なかったぜ。アイツになんかあったら怒られるからな。俺が」
主に、アーク過保護派のアリアとエフェリオネにな。あの二人、普段は普通だけど、アークが絡んだ瞬間にポンコツになるからなぁ。
全く。師匠の中でまともなのは俺だけか。
「……さて、コイツ。どうすっかな」
アークが顔を真っ赤にして全く動かない嬢ちゃんを仕方なしにお姫様抱っこで運んだのを、茶化しながら見送った後。俺はこのおっさんの隣にしゃがみ込む。
────初めて見た。
アイツとの出会いはもう10年以上も前になる。俺のクソッタレな親よりも、長く同じ時間を過ごし、大事な家族で誇らしいと、胸を張り、大声で叫べるくらいには、大事な弟分だ。
それが、あんなにも怒りを顕にし、果てには間に合わなかったら殺す所まで行っていた。
「こういうの、あんまりキャラじゃないかはやりたかねぇけど」
しゃあねぇ。師匠、動きますか。とりあえず、コイツの過去を洗いざらい覗き見て……あ、機関の人もいた方がいいか。
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新作投稿しました。恐らく、昔から私の事知ってる人はビックリするでしょう。
『声しか知らないお嫁さんRe:start』
単刀直入に、聞きたいことあるんだけどさ。
俺が書くR18とか興味ある?ある場合、R18シーンを頑張って書くことになる。
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