第3話
ピンポーン。
「おん?」
ユウラシアにコテンパンにされたあと、家に戻って暇だったので銃のメンテナンスを行っていたら、突如としてインターホンがなった。
この部屋に用がある人と言えばリオーネぐらいしか心当たりがない。
まさか……夜這い!?(夕方)なんてネタ方面で考えつつ、玄関へと向かう。
「はーい」
「や」
「あら」
ドアを開けたその先には、今朝俺の体が七色に光った薬品を作ったアリアナだった。
「どうしました?」
「いやなに、何故君の体が七色に光ったのか、何となくの仮説が出来たから一応知らせようと思って。聞くかい?」
「んー……」
さて、どうしようか。聞いても聞かなくても、別にどっちでもいいんだが……まぁ聞いておいて損はない……か?
「せっかくですし、聞いておきます。どうぞ上がってください」
「そうか、それじゃあお言葉に甘えようかな」
体を半身ずらして、アリアナを部屋へ招待する。
リビングへと入ったアリアナは、何故か俺の部屋をぐるりと見渡したあとに一言。
「ふむ。意外と綺麗なものだな」
「まぁ、特に置くものとかありませんし」
前世の部屋だったら、本棚にゲーミングセット一式だったり、タペストリーなんかが色々とあったが、今世の俺はほぼ無趣味と言ってもいい。強いて言うなら、推しを愛でるのが趣味かな。
「飲み物いります?」
「じゃあ貰おうか」
「何がいいですか?」
「君のセンスに任せよう」
ふむ、と顎に手を当てながら、冷蔵庫を開ける。中には、麦茶、牛乳、炭酸飲料の三種類がある。
……研究って頭使うし、甘いものがいいかなと炭酸飲料を手に取り、置いてはあるがそんなに使うことがない大量のコップをひとつ手に取り、軽く水で洗ってからジュースを入れた。
「お待たせしました────って何してるんです?」
コップを二つ手に取りリビングに戻ると、少数の本が置いてある本棚に四つん這いになっている彼女の姿を見つける。
スカートと靴下の間から覗く、健康的な太ももに危うく目を吸い寄せられそうになったが鋼の意思を以て粉砕。そういえば、この人結構スタイル良くて、視聴者からは人気だったんだよな。あぶねーあぶねー。
「何って、お宝さがしだよ」
「………………」
なぜその隠語が異世界にまで通じるかは一旦置いておくとして、残念ながら俺は前世を含めてそういう本は買ったことがないし、見たこともない。
高校の保健の授業でぶっ倒れた経験がある俺だぞ。あまり舐めるんじゃない。
「探しているとこ悪いですけど、俺はお宝本なんて持ってないですよ。なんなら電子媒体も探してみます?」
「君、本当に思春期男性かね?」
「失敬な」
あと、アンタそういうキャラだったのか。
「残念だな。ユウラシアくんは面白いぐらいに顔を赤らめ、慌てて否定していたというのに」
「なんてことをしてるんですか」
哀れユウラシア。
「さて、それじゃあ本題へと入るとしよう。モニターを借りるよ」
「どうぞ」
部屋のカーテンを閉め、電気を消した直後に、アリアナが持ってきた端末とモニターを繋いでから電源を入れた。
「まず、これを説明する前に、魔法陣についての基礎知識を説明したいところだが、君なら省いてもいいだろう」
「どうぞ。刻印魔法を使う自分は既に履修済みですので」
魔法陣というのは、簡単に言うならば、多少大雑把でも大丈夫なプログラムコードのようなものである。
魔法陣の大きさや、線の太さや長さ、線同士の繋がり、込める魔力の数。これらが大体噛み合えば上手く魔法が発動する。
「まず、今回の液体に魔法陣を刻印するという実験なのだが、当然液体には刻印できるよう物体は存在しない。そこで、原子や分子を動かし、目に見えない極小の魔法陣として固定化することに成功。それがこれだ」
モニターに表示された、分子と原子を表した簡易的な球体が、魔法陣の形となる。そして、画面左下では、今朝アリアナが言っていた光る液体の動画が流れていた。
「そして、これが今朝君に飲ませた仮称強化薬。先程の光液体とおなじように、身体を強化させる効果のある魔法陣を形成させたヤツなんだが────私がこの強化薬を飲んだ結果、君のように七色に光らず、実際の身体能力が数分だが上がったという結果出た」
「──────ん?」
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イッシュ地方に行ってきます。探さないでください。
冗談です。ですが、ゆゆゆを見て、9話後半から号泣しながら一期を見たのですが、インスピレーションが刺激されまして、カクヨムコン用の長編を今書いてます。
申し訳ないですが、そちらを優先して書いているので、こちらの更新は遅くなります。ご了承ください。
P.S新作投稿しました。宜しければ読んでください
『神殺しのユグドラシル』
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