第7話

 ユウラシアが信じられないものを見るような目で俺を見る。なんだよ、そんなに見ても照れねぇぞ。


「最弱?」


「おん」


「嘘だッッッッッッ!!!」


 バサバサバサ!と近くの木から沢山の鳥が飛び立った。


「嘘じゃないよ」


「それは流石に嘘だよアークくん。だって、普通の人間が高速移動とか出来るわけないもん」


 それはそう。でも、よく考えてみろって。


 そもそも、Sランクというものは身体能力、魔力総量、IQ+‪α‬を総合的に判断し『もう無理ぽ。コイツ人間じゃねぇだろ』と機関が判断した人間がなれるものである。


 Sランクに一番必要なのは、この+‪α‬部分────つまり、異能だ。


 俺だったら『瘴気浄化(本来は吸い取ってるだけ)』。ユウラシアだったら『強化学習体』などなど、Sランクの人間には大抵人智では解明できない特殊能力を持っているのだ。


 例えばだが、俺に魔法を教えてくれた師匠だったら、『魔力炉』と呼ばれる無限に魔力が生成されるあたおかチートだし、二丁流の手解きをしてくれた師匠は、『金剛力』と呼ばれる自身の身体能力をノーデメリットで自由に倍加することが出来るバケモンだし、身体技術を叩き込んでくれた師匠は、『絶対看破』と呼ばれる全てを攻撃を見切ることが出来る上に、弱点を見ることが出来るというワンパンウーマンだし。


 そういった人達がゴロゴロといるのがSランクだ。そんな人達と俺の異能を比べたら……ねぇ?


 唯一の例外があの頭脳だけでSランクの人マッドサイエンティストだけだ。あの人は戦闘能力皆無だからな。


「逆に言えば、異能なしでSランクに上り詰めた化け物なんですがアークさん」


「シアンちゃんシッ!」


「────ということだ。分かったかユウラシア」


「ううん。全然」


「なんでさ」


 俺、結構いかに自分が最弱か教えれたような気がしたんだがな。


「そもそも僕、アークくん以外のSランク見たことないから、そこまで熱弁されても分からないって言うのが本音かな」


「よーし分かった。明日師匠達連れてくるから」


 そんでしっかりと学習して自分を強化しな。






 その後、また明日も集まることを約束して解散した俺たち。俺はすぐさま部屋へ戻ると、明日のためのアポを取ろうと師匠達へビデオ通話をかけることにした。


 そもそも出るか?あの三人、全然端末触んないし、自分を鍛えることに余念が無いからな。メッセージが返ってきたのが次の日とかざらにある。


 ま、出なかったらみんなにお気持ちメッセージ飛ばしとけばいいか……なーんて考えながら、部屋に備え付けてあったテレビと端末を繋げて、とある人に通話を掛けたら────なんと、ワンコールで繋がった。


「はろはろー!わー!アークくん久しぶりー!おっきくなったねぇ!!!」


「お久しぶりです師匠。しかし珍しいですね。直ぐに連絡に気づくなんて」


「アークくんのは特別だからね!最近忙しかったから、久しぶりに話せて元気出た!」


 テレビ画面に映ったのは、もうすぐ27歳になるのだと言うのに、全くもって10年前と姿が変わっていない師匠の満面の笑みだった。


 エフェリオネ・ドレッドノート。臙脂色えんじいろの髪をポニーテールで纏めており、ピンク色の瞳も合わさってとても可愛い人である。


 当時俺五歳。あの頃は……ふふ、物凄く小さくてですね……まだ見ない推しを押し退け、とても美人なお姉さんであった師匠二人に……その……初恋……してしまいましてね……。


 ……いや、その……チャ・ウンスヨ。よく考えてみろって……。


 親を亡くした直ぐにこんな美人なお姉さんに甘やかされたら性癖グズグズに歪みまくって惚れちゃうに決まってんだろ!!!!!!!!(クソデカボイス)。俺は悪くねぇ!!





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この話を読んでいるということは、恐らく私は、もう既にカラオケに行くために自転車を漕いでいることでしょう。おはようございます。バウバウ~🐾


近々、この物語に関わることをサポーター限定の近況ノートにでも出そうかなと思います。アンケートでも取ろうかと思っております。


既に最後はどのようにするかは考えておりますが、まぁなんといいますか……あまり詳しくは言えないので、続きは限定でということになります。


無理してサポーターになる必要はありません。その場合、私が適当に1D100して決めますので。


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