第6話
ガンッ、バキっ、ドゴン!という音が聞こえるだけ。たまに何故か銃と銃が鍔迫り合い(?)になった瞬間に姿が見えるが、テレジア以外にはなんのこっちゃ状態である。
「最初は、ユウラシアさんも着いていくのがやっとの状態ですが、徐々に徐々にアークさんに喰らいついて行ってます────ほら、反撃に転じますよ」
「────ここ、かな!」
「!」
ユウラシアは、アークが銃で殴りつけて来た瞬間、マシンガンを使って防御しつつ、勢いを使って大きく後ろに跳躍。左手でマシンガンの側面を叩くと、一瞬魔法陣を展開させ、一時的な魔法効果を付与。
「ま、じか……アイツ!」
轟音が連続で鳴り響き、マズルフラッシュが幾度も瞬き、超音速の弾丸がアークへと襲いかかる。
その速度は、アークの銃の速度に届かずとも、充分な速度が擬似的な刻印魔法によって再現されていた。
(今の一瞬で────いや、銃の性能自体は最初の戦場で見せたし、その兆候はあった。今この瞬間、不完全だが学習して再現出来たとしてとおかしくは無い)
思い出すのは、一緒に戦場へと狩り出た入学式の次の日。ユウラシアは、一般的に軍に支給されているマシンガンで、アークの銃でやっと削り取れる一撃を、何発も放っていた。
自身を何度も助けてくれた弾丸が、今は自分へと襲いかかってくる。その事態に、アークは無意識に少し口角を上げていた。
「面白くなってきたな」
アークは、襲いかかる弾丸の雨に、敢えて自分から突っ込んでいった。
「…………」
そのことに、一瞬眉を反応させたユウラシア。だがしかし、平然と高速で移動して躱している姿を見て、落ち着いてリロードをしようとした。
しかし、その隙を見逃さずアークが五発連続で距離を詰めながら発砲。狙いは勿論、マガジンを持っている手だ。
そのことに気づいたユウラシアは、ならばと持っているマガジンに超振動を付与。そのまま五発全部切り捨て、マガジンをセット。
アークとユウラシア。それぞれの銃が額を狙いを定めた瞬間────
「そこまでだ。これ以上は結界が持たん」
────これを見届けていたエイリが中止を言い渡した。
「うん?」
「え?」
お互い、あと一歩で引き金を引きかけた状態で止まる。訓練所の周りには、施設が壊れないようにかなり強力な────具体的に言うと、かなり攻撃に偏った異能持ちSランクの戦士3人が全力で10分殴り続けてようやく壊せるくらいの耐久力を持つ結界が壊れそう?
「なんなら壊れた」
その瞬間、パリィィィィン!と魔力の残滓を漂わせながら、結界が砕けた。
と、言うことはである。
「全員!今すぐここから離れろ!」
「えぇ!?」
この結界が壊れた音が聞こえた人は、直ぐに俺とユウラシアの仕業だと気づくだろう。そして、大勢の人がここに押し寄せてくるのが目に見えて分かる。
急いで観客席にいるリオーネ達の元へ、魔法で身体を強化してジャンプ一つで向かう。
「わっ!?」
「きゃっ!?」
「え、私は……」
「適当に首に捕まっとけ!ラグネル!着いてこい!」
「お、おう!」
シアンとリオーネを片手ずつでお姫様抱っこを持ち上げ、レイルは俺の首に腕を回してもらう。
ユウラシアがテレジアを抱っこしたのを確認してから、訓練所の天井からダイナミック退場。
「先生!後始末お願いします!」
フリフリと手を振って見送ってくれるエイリ先生を背中に、俺達は誰にも見つからないように訓練所を後にしたのだった。
「よいしょ。ここまで来れば大丈夫だろ」
その後、誰にも見つからないようにSランク寮付近までやって来て三人を下ろす。ここら辺は好んで近づく人はいないからな。逃げ場所としてはうってつけである。
グルグルと腕を回して筋肉を解していく。まさか結界がぶっ壊れるとはな。ま、でも確かに長く
「ありがとうアークくん。なんか、今日だけでとっても強くなれた気がするよ」
「そうでなくちゃ困る。お前は次代の英雄なんだから、Sランク最弱の俺はさっさと抜いて欲しいものだ」
「…………最弱?」
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今日仕事頑張れば、明日は休み……!久々にカラオケ行くんだひゃっほい!
絶対に聖少○領域歌ってやるんだ……っ!
双子の番犬歌みたアイデ○ティティ……良すぎた……バウバウ
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