第3話
テレジア・マニア。
黒髪を肩ほどまで伸ばし、左側をサイドテールで纏めている、アニメ『侵蝕戦線』の正ヒロイン。
主人公であるユウラシアに一目惚れし、落ち込んでいるところを見たテレジアの性癖ど真ん中ストレート。猛アタックを繰り返し、二重の意味でパートナーの地位を獲得したアニメ最強ヒロインである。
そして、そんなユウラシアもテレジアの猛アタックに傷ついた心も徐々に癒され「今思えば、俺も君に一目惚れだったのかもしれない」とアニメ最終話で語っていた。
強くなりたい。ユウラシアがそう強く願い、覚醒したのが彼女と出会ってからだ。ラッキーなことに、本当に何故かは知らんが2人は出会っている。色々と方法を考える必要がなくなって助かったわ。
「申し訳ありませんマーキュリーさん。ユウラシアさんの治療をするので、目の前のソファをお借りします」
「あぁ、ご自由に」
当たり前のように俺の事を知っていることは一度スルーする。
「……お前、なんでそんなボロボロなん」
「あははは……」
ソファに座らされたのを確認して、ユウラシアへと話しかける。ユウラシアの異能『強化学習体』は、戦えば戦うほど強くなり、そう簡単にボロボロにされることはないと思うんだが。
高く見積っても、現在の雰囲気からAランクでも上位に位置するだろう。本格的に鍛錬をしてから六ヶ月程度だというのに、本当に末恐ろしい。
「……そ、その……恥ずかしいんだけど────」
「お待たせしましたユウラシアさん。ささっ!恥ずかしいかと思いますが、服をお脱ぎに!!!」
「ちょっ!?テレジアさん!?!?!?」
……ふーん?へーん?ほーん?
何やら、興奮した感じでシップと包帯、消毒液片手に、ユウラシアへと詰め寄るテレジア。慌て、少し抵抗する様子を見せているが、嫌な感じは見せていない。
────この二人、既に一目惚れ後なのか。ご馳走様です。
「ちょ、アークくん!アークくん見てないで助け────なんで手を合わせてるの!?」
「気にするな。俺は何も見ていない」
「痛くないですよユウラシアさん!」
「テレジアさんが怖いんです!!」
公式カップリング。無事成立!
「テレジア・マニアと申します。マーキュリーさんのお噂はかねがね」
「アーク・マーキュリー。よろしくテレジアさん。なんの噂かは聞かないでおくよ」
どうせ俺の黒歴史が抉られるだけなんでね。
結局その後、根負けしたのであろうユウラシア。俺は目を瞑っていたので知らないが、叫んでたし、服の脱げる音が聞こえたし、テレジアの「はぁはぁ……これがユウラシアさんの……ごくり」とか言ってたし、まぁ脱がされたんでしょうね。
「リオーネの紹介は後日ということにしてくれ。疲れて寝ているんだ」
「マーキュリーさんと、クヴァリ家の令嬢は、とても仲が良いのですね。私とユウラシアさんのようです!」
「あはは……」
「アークでいいよ、テレジア女史」
「では私も、テレジアで大丈夫です」
おいそこの主人公。自分がまだ呼び捨てに出来ないからって少し不満気な顔で俺を見るな。別に狙っていないから。
俺の心の中にはリオーネしかいないから。安心しろって。
「んで、話は戻すけどユウラシアはなんでそんにボロボロだったんだ?」
「うーんと……まぁ……端的に言うなら、強くなりたかったから……かな?」
「………ふーん?」
やっべ。公式カプが目の前で心理ではドチャクソイチャついているんだと考えたら口角が天井に突き刺さるんだけど。俺ポーカーフェイス出来てるか?
は~~~~~ユウテレてぇてぇ~~~~!!!
「だから……その、ラグネル君とテレジアさんとの組み手を────」
「……え、二対一やってたのか?」
「うん。強化学習体。まだ僕自身この異能の事は分かってないんだけど、とりあえず強い人とやれば強くなれるかなって」
「悪くは無いが、それは効率が悪いぞユウラシア」
二対一による数的不利での戦闘。確かにそれでもユウラシアの異能は糧に変えてくれるだろうが、戦闘というのはどんなに数が囲まれていようが最終的に一対一だ。まだタイマンに不慣れな状況でやってはいけない。
……よし。ちょうどいいことにユウラシアの強化フラグ立ってるから、早めに強化イベントをこなすとするか。
「ユウラシア。明日も訓練か?」
「え?う、うん。その予定だけど」
「そうか────放課後、第三訓練所で俺と模擬戦やるぞ」
「うん…………え?????」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハピバ俺。22歳だ。
昨日は沢山のお星様をありがとうございます!でも、私は貪欲なのでもっともっと欲しいです!
最新話を読んだ読者諸君。目次の横に、レビュー項目があるじゃろ?その下に、星を入れれるところ……あるじゃろ?
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