第2話
急いで訓練室の扉を開けて、リオーネの様態を確認する。心做しか、ホログラムで存在している魔物も『ん?』と首を傾げているように感じる。
慌てて抱き起こしてまずは息があるかの確認。呼吸は……良かった。ある。
「ふ……ふふ……燃えました……燃え尽きました……えぇ、それはもう……真っ白に……」
「……この感じは魔力切れか。一体どれだけの魔法を放ったんだ……?」
前回の時とは違い、今回はあまり神経をすり減らす要素は無いはずなのだが。集中力は使うかもしれんが、元々
あと、そのネタどっから拾ってきた。
一旦リオーネをシアン達に任せ、ホログラムを切るためにこの部屋の装置へと向かう。次いでに、リオーネが何回この課題をやったのかも調べて……えぇ(困惑)。
「これはちょっとやりすぎだろ……」
その回数なんと28回。しかも、休憩なしでぶっ続けだ。そりゃ魔力切れを起こしてぶっ倒れる訳だ。
はぁ、と息を吐いてからホログラムを切る。すると、今まで外の景色だった光景が、直ぐに無骨は白い部屋へと戻った。
「とりあえず、リオーネは俺が保健室に連れていくから、二人は上がっていいぞ」
どっこいせと、リオーネの膝裏と肩に手を回して抱きかかえる。こりゃまた、飴を舐めさせないとな。
「あ、はい!お疲れ様でした!」
「アークさんありがと!また相手してくれると嬉しいな~!」
「お疲れさーん」
二人と別れ、速攻で保健室へと向かう。今回も誰とも運良く誰ともすれ違わないで保健室へとたどり着くことが出来た。
「すんませーん────って、今日も不在か」
行儀悪いと思いながらも、足でガラガラとドアを開けるも、今日も保険医は居ないらしい。
前回と同じように、ソファに座らせ飴を戸棚から取り出して舐めさせる。またもやチロリとリオーネの舌が指に当たってドキッとしたが、無事に舐めさせることに成功。
また魔力が回復するまで、リオーネの隣に座って待機をしていたのだが、突如として左腕に重さを感じた。
「リオーネ?」
「………」
ありゃま、どうやら寝てしまったらしい。それだけ俺が出した課題に真剣に取り組んでくれたのだろう。そう思うと凄く嬉しい。
寄りかかっているのもいいが、少しでも疲労を回復してもらいたいので、リオーネの長く綺麗な髪を崩さないように、頭を膝の上に乗せた。
「んん……アーク様……」
「………一体、どんな夢を見ているやら」
さて、丁度いい時間が出来たので、リオーネを愛でながら少し原作を思い出すか。
この学園に入学して一ヶ月。アニメでは第二話にあたるこの月は、主人公であるユウラシアの強化フラグが経つ回である。
一話にて、ラグネルを失いその傷が癒えないまま、ユウラシアは学園から決められた仮パートナーと共に、戦場に赴く。
ここは何とか無事に帰還できたのだが、動きが悪かったユウラシアを心配した学園側が、指導員としてとある人を抜擢するのだが……まぁ、その人も……その、死んでしまうんですよね。
ついでにいうと、仮パートナーの方も死ぬ。短期間で身近な人が死んでしまうのを見てしまったユウラシアは、すごく病んでしまう。
学園で一人黄昏ているユウラシア。そこに、アニメヒロインが声をかけて終了。三話に続くと言った流れだ。
あれだ。恐らく、アニメ原作者は人の心とかないんやろな。
だがしかし、俺がこの世界に降り立ったことによってラグネルは無事に生きている。だから、原作の主人公強化フラグがポッキリと折れてしまっている訳だが……果たしてどうやって主人公を強化するか。
恐らく、ユウラシアとヒロインを合わせればフラグは経つのかもしれんが、如何せんどうやって出会わせるかだ。アニメではあの二人はほぼ一目惚れだったはず────ん?
足音が二人分聞こえる。微かに話し声も聞こえ、どうやら男女のペアがこちらに来ているようだ……というか、めちゃくちゃ聞き覚えがあるような………。
「失礼します。先生は────あ」
「こんにちは……ってアークくん?」
「あ」
出会ってるぅぅぅぅ!?!?恐らく歴史の修正力的なアレで二人か出会っちゃってるぅぅぅぅ!!??
保健室に入ってきたのは、アニメヒロイン────テレジア・アニマと、そのテレジアに肩を貸してもらい、何故かボロボロのユウラシアだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
明日は、なんと拙の誕生日となります。誕生日プレゼントはランキング上位でいいよ!読者たち!お星様ちょーだい!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます