section2 推しとのデートを成功させるには
第1話
最近、推しが可愛すぎて困る。
いや待て、勘違いしないで欲しいのだが、推しは何時でも可愛い。それはもちろんのこと大前提なのだが、ここ最近は更に輪をかけて可愛いのである。
現在時刻は朝の7時少しすぎた辺り。俺は現在、自室のテーブルにて、ゲン〇ウポーズをしながら、来るべき人を待っていた。
────この学園に入学して、早二週間が経過していた。
魔物が出現する頻度は、大体二日に1回あるかないかなので、俺が思っていたよりも余裕があった。しかも、学園に通う人も、必ず呼び出されるということでもないようだ。ここ数日、親睦を深めたユウラシア達のおかげで知ることが出来た。
ま、俺は瘴気吸い取るために呼び出しがかかっていようがいまいが、行かないと行けないんですけどね初見さん。
1回だけ深夜にサイレンがなって、欠伸をしながら戦場に出ていた。しかも、その時に限ってたまーにある患者ゼロの日であった。許さん。
とと、話が脱線したな。本題は、俺の推し────リオーネ・クヴァリが最近とてつもなく可愛すぎて、俺の心がずきゅんどきゅんと走り出しそうな件である。
腰ほどまである水色の綺麗なストレート。紫色の瞳は、どのような宝石よりも綺麗で、いつまでも見つめていたくなる。年齢相応に成長し、均整のとれた身体。これぞ、女性の理想と言っても問題ないくらい、完璧な少女。
────最近、ちょっと距離感バグってません????
俺達が戦場に立った次の日から、俺とリオーネの距離は近くなった。精神的な話では無い。物理的な話だ。
具体的に言うのなら、スキンシップが激しい。普段、俺達は学園内でペア行動をしているのだが、事ある毎に手を繋いでくるし、人気が少ない所だったら、両手で俺の腕掴んでくるし、飯食う時はわざわざ隣に座って肩触れるくらい近いし。
────ま、ぜーんぶ嬉しいんでされるがままにしてますけどね。心の中ではめちゃくちゃにやにやして発狂してますが何か?
当たり前だろ。推しにあんなに触れたい触れたいアピールされて嬉しくない訳無いだろう。今すぐに抱きしめたい。抱きしめてドロドロになるくらい甘やかしてあげたい。
ティロリンティロリンと、インターホンが鳴る。来たか、と思いつつ椅子から立ち上がり、玄関へと向かう。
「おはようございますアーク様。今日もいい天気ですね」
「おはようリオーネ」
朝から見る推しは、まだ確認されてはいないがいずれ万病に効くようになる。
間違えた。ドアを開けると、今日も素敵な笑顔で俺を出迎えてくれたリオーネがいた。
────時を戻し、昨日の放課後。
俺とリオーネの放課後の過ごし方なのだが、基本はリオーネの訓練に俺が付き合ってあげている形になっている。
どうやら、最初の戦闘で、魔物に魔法が効かなかった事を申し訳なく思っているらしい。「このままでは、アーク様のパートナー失格です」とのこと。
そんなこと、気にしなくていいのになぁ……。ぶっちゃけ、あの魔物がイレギュラーじみてる所あったからな。俺の銃効かなかったし。
とまぁ、魔法の威力ももっと効率よく上げるのと、自身の同時発動できる魔法の数を増やす訓練をしているのだが、昨日は珍しくおやすみで、しかも「明日の朝、アーク様をお迎えしてもいいですか?」と言われた。
なん……っ、おまっ、それ反則だろ……っ!
可愛すぎんだよ!上目遣いで少し頬を赤らめさせながらモジモジするんじゃない!
そんな感じで俺の理性はやられ、二つ返事でOKしてしまったが、朝から美少女と────しかも推しと一緒に居れるってマ?前世俺どんだけ徳つんだの?心臓もたないんだけど。
そして、現在に至るということである。美少女と一緒に登校。オタクなら一度は夢見るシチュエーションである。
「それじゃ、行こうか」
そう言って、俺はリオーネへと手を差し出す。どうせ手を繋ぐことになるのだ。不意打ちで触られるより、こうして迎え入れて心の準備を済ませておく方がマジである。
嫌だよ俺。推しの前で「ひゃっ」とか声出すの。最初不意打ちで手を繋がれた時に、ポーカーフェイスできた俺をマジで誰か褒めて欲しい。
直ぐに繋いでくるかと思いきや、ぱちぱちと驚いたように俺の手を見つめる。
「~~~っ、はいっ!」
そして、何やら可愛らしい鳴き声を上げてから、嬉しそうに返事をして俺の手を握るのであった。
あ~~~~~マジで可愛い~~~。
「えへ……えへへ………アーク様……」
これでまだ俺の事好きじゃないのマ!?このままだと俺の方が先にリオーネに告白しそうなんだけど!する予定ないのに!
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推しの事大好きなのに告白する気ないのなぁぜなぁぜ?
P.S
星評価200突破しました!皆さんの性癖にぶっ刺さったようで何よりです!
でももっと下さい(乞食)
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