第4話
軽く頭を振って異常がないかを確認してから寮を出る。当然、この学園敷地はクソ広いため、迷子にならないように地図を持って散策を開始した。
「……にしても、マジで広いな」
国全体で見たら──そもそも、この世界には今いる国一つしか存在しないが、それでもロシアの半分くらいの大きさはある──ちっぽけな土地ではあるが、前世感覚で言う東京デ○ズニーランド二個くらいはある。
まぁ、対魔物戦線軍属学園は、新入生だけでも2000人は超えているし、全学年合わせたら1万人超えるしな。それくらいの敷地はあって当然か。
それを踏まえた上でもう一度地図を見る。
この学園は、所謂五年制であり、五年間この学園で戦場に出るための術を学ぶ。
学年毎に移動できる範囲が決まっており、一年生は一年生ゾーンのみ行動ができる。許可を取れば他学年ゾーンに行けるみたいだが、ぶっちゃけ地図の説明を見る限りとる必要は無い。訓練所も、買い物が出来る店も違いは無い。
例外として、俺が暮らすことになるSランク寮付近は、学年関係なく、Sランクのみが使用することが出来る。
現在学園に籍を置いているSランクは俺含め7名。
ちなみに言うと、現在人類の総人口数は30億人と言われているが、その中でSランクと認められている人は50人程度いるらしい。
結局、あの後二時間ほど周りを散策したのだが、推しとは出会えなかった。非常に残念である。
その後は余計なことはしないで風呂に入った後、散策時に買ったハンバーガーみたいな食べ物(かなり美味かった)を食べて、早めに寝た。
意外と疲れていたのか、時刻はまだ夜の8時くらいグッスリと寝ることが出来た。
そして現在時刻は6時30分。俺は姿見で服装チェックを行っていた。
「……よし、大丈夫そうだな」
キッチリとした黒の軍服に、軍帽。今世の俺はそこそこイケメン(だと思っている)ため、中々よく似合っているではないか。
それこそ最初なんて、鏡見る度に「金髪にあわねー黒にそめてー」とか思っていたが、流石に今の自分にはもう慣れた。
最後にもう一度おかしい所がないかをチェックしたあと、姿見の横にある棚へと腕を伸ばし、三つの指輪と一つのハンドガンを手にする。
この指輪は、宝石部分に触れるとスナイパーライフルとロングソードに変化する。詳しいことは知らんが、電子小型化がうんたらかんたら。
要約するなら、『かがくのちからってすげー!』ということである。
剣に変化する指輪を左手の中指に、スナイパーライフルに変化する指輪を、右手の人差し指と左手の人差し指に装着。最後に、軽くハンドガンをくるくると回して右腰にあるホルスターに装着。
もうすっかりこの動きもルーティン化しているものである。更に、このハンドガンなんて初期から改造されてはいるが、付き合いだけで言うなら8年経つ。すぐ取り出せる場所にないとちょっと不安が……。
「うし、行くか」
まだ始業のベルが鳴るまで、余裕はめちゃくちゃあるがまぁ初日だし、迷子にならないように早めに行動しとかないとな。
それに、上手く行けばリオーネとの接点を持てるかも────
「おや?」
「────あ」
やっべ、絶対に関わりたくない奴と出会っちまった。
原作アニメだと、まぁ主人公の役にも立つし、実際この国の科学力を50年先に進めたとも言われる天才ではある。でも、俺は個人的に言うと関わりたくなかった。
「おやおや?おやおやおやおや!!!奇遇だねぇ!まさか進級初日に同じSランクの
「失礼しますっっっっっ!!!!!!!」
「────え、あっ、ちょっ!?」
なので俺は、ガンダッシュで逃げた。ありがとう機関の皆。俺が体を鍛えてたのは、今日この日から最速で逃げ切るためだったのか。
彼女の名前はアリアナ・タクルオン。ピンク色の髪をポニーテールにまとめ、オニキス色の瞳の下には、少しだけ隈が出来ているが(アニメ放映時設定では)18歳でありながら異世界特有の抜群のプロポーションを持っているため、視聴者人気もそこそこ高かったマッドサイエンティストである。
瘴気遮断マスク、魔法陣超小型刻印システムなど、戦闘能力は皆無だが、様々な発明品と、天才的な頭脳だけで、Sランクにまで上り詰めた超人。しかし、超人すぎるため一般人には思考が着いていけない。
これのせいで、主人公くんはあの手この手でこの人に言いくるめられ、様々な薬を飲み、アクシデントに巻き込まれるのである。誰だよ、第五話に主人公をTSさせるためだけに一話使うようなアイデア出したヤツ。
いや、クソ面白かったけどね??????
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オハンヨ。もうそろそろメインヒロインの登場やで
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