2024/03/31

愛、以前に。


人として相手より弱いことを

認めるのは怖い。


でも、愛は、

愛以前に、

恋は麻薬のように心を絆すのだ。


自制心を失って、会うことを望む。

その結果がどうだ。

思うように話すこともできない。

慣れて自然のまま側にいたいのに、

努力しないと言葉すらまともに交わせない。


生まれや環境の隔たりが、

広陵たる山丘の谷のように横たわり、

足をすくませる。


劣等感を引き摺り出されるのが怖い。


それは自分でない自分、

賢く例えるのなら、

理性的でない私を曝け出すこと。


皮を削いで剥き出しの果実を、

口で噛んでも、呑み込んでも、

吐き捨てても良いように差し出すことだ。


相手の意思に委ねることほど、

苦しみと哀しみと、幸せのような期待を

心にもたらすものはない。


破綻は見えている。


見えないふりをしているだけだ。


気付かないふりをしているだけだ。


結局、私はひとりであることを選ぶ。


好きだった、と思う。


今でも好きなのに、

過去になることを願っている。

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