第4話

「纐纈殿から預かったこれはなんだこの花が彫られた棒?と櫛か?」「それはかんざしニャ帝の治める皇国でしか手に入らない髪留めニャその彫られた花百合かニャ?あのお爺ちゃん帝の知り合いなのかニャ?」「ミーシャ殿その花の何処に帝に繋がるんだ?」「百合の花は皇国だと帝の象徴になっているニャ、百合の意匠の施された物は帝の側に居る人か許可を得た貴族しか身につけるのを許されないらしいニャという事はお爺ちゃん皇国の貴族ってことなんじゃ、ニャァァァ!不敬罪で殺されるニャァ!」「ミーシャ殿落ち着け纐纈殿は貴族では無いだが他人に自分の事を話されるのも気分が良いものでは無いだろう、話してくれるかは分からないが、纐纈殿に聞いてみればいい。」


 二人を逃したのは正解であったか、隆起した筋骨そして中々に頭も切れる武装は肉厚で幅広の大太刀地面への一撃で地を割ったか儂の膂力では去なすのがやっとか、なんと厄介なしかし元の世界では居なかったこれ程の偉丈夫との死合い沸るものよ

「『朧霞流一の太刀裏 逆月さかづき』」小鬼の王の一撃を去なし逆手で抜刀した刀を順手に持ち替え振り下ろす「『朧霞流三の太刀 落墜らくつい』」相手の左胸を振り下ろされた一刀が切り裂くゴブリンエンペラーもその一撃で息も絶え絶えとなったしかしその中でも何かを呟き大太刀を杖代わりにし立ち続ける「俺ハ負ケラレナイ、同胞ノ未来ノ為」「そうかお主にも望みが有ったか、しかし、儂にも果たすべき誓いがある。悪いがその為の糧となってくれ。この世界でであった強きものよだがお主ら小鬼は少しやり過ぎた。この敗北はお主らへの罰だ。だが殺しはせぬ、無理かも知れぬが、人との共存の道を模索してみてくれ、それと監禁している女子は返してもらうぞ」「アア、感謝スル」儂は救出した少女を担ぎ洞窟を後にする

洞窟の外では二人が儂を待っていた、「勝ったのか纐纈殿、それとこれ預かっていたものだ、それと話したく無いのであれば構わないが、これは貴殿が使っているのか?」「この簪と櫛かこの二つは亡き妻と娘の形見だ。簪に彫られた花はこの世界に咲いているかは分からぬが百合と言ってな妻が好きな花であった」「じゃ、じゃあお爺ちゃんは貴族じゃないって事かニャ?」「貴族?なんの話しだ?」「その百合の花は皇国では帝の象徴でありその帝の許しがなければ身につける事のできない花だそうだ。」皇国か少し興味が出てきたいずれ行くとしよう

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