第3話

「待ってくれ纐纈殿、私も同行する悪き神の影響がゴブリンにどの様な影響が出ているか確認しておきたい、同行はするが報酬は要らん」「わかったエルノーラ殿、良いなミーシャ殿」「大丈夫ニャ、騎士団長が居れば100人力ニャ」「それと、受付嬢にこの依頼を受けた冒険者が三名行方不明になっているそうだ、知能も低いと聞くが儂らも留意しなければなるまい」ゴブリンの巣窟となっている洞窟へ向かう街道にも危険はなく問題なく洞窟に到着した「うむこれが小鬼の巣か、悪臭も多少漂っておる、悪臭の中に死臭や精液の匂いか此処まで匂うとなれば、少々不味いやも知れぬ、エルノーラ殿ミーシャ殿小鬼の生態は分かるか」「弱くていっぱいいるニャ」「そうではない、繁殖方法や統率者の有無だな」「纐纈殿繁殖方法と統率者の有無だったな、まず繁殖についてだがゴブリンは基本的に雄だけだそれ故他種族の雌を用い繁殖を行う、統率者は基本はシャーマンが担っているごく稀にゴブリンロードが現れることもある」「では行方不明となった冒険者の中に女子おなごはいるか?」「いたと思うニャ剣士とタンクの男の子二人の魔術師の女の子の3人組だったはずニャ。」少々不味いことになりそうだしかし此処で思慮していても埒があかぬか「では行くとするか」「ああ(了解にゃ)」洞窟は酷い有り様だった、だがゴブリンの姿は見えなかったしかし入り口付近で感じた以上の悪臭、暫く進むと動く影が視界に入る「二人とも警戒しろ、纐纈殿後ろを頼むミーシャ殿行方不明の冒険者かも知れない応急処置できる道具はあるな?」「あるニャ、でもポーションじゃなくていいのかニャ?」「市販されているポーションでは自己回復を促進するだけだ、生憎騎士団で支給されているハイポーションを今は持ち合わせていないんだ済まない」「応急処置をしたとてもう助からんだろうな、小鬼の小太刀で刺されたであろう部分は壊死しておる、此処まで持ったのが奇跡な程だ。」「あ、あんた達た、助けに来てくれたのか俺はレオ俺の仲間は?」「一人は生き絶えておる、女子の方はまだ見ておらぬ」「クソッ、ジョン、アイナ、なあ、俺は助からないんだろう?この洞窟を出で東に10キロ行けば俺たちの生まれた村があるその村にいる母さんにこのペンダントを渡してくれ」「諦めるなまだ助かるミーシャ殿応急処置だ」「分かったニャ。」「坊主、レオと言ったか、その傷では辛かろう、お主が楽に逝けるよう儂が介錯してやろう」「何を言っているんだ、纐纈殿彼を救出しなければ。」「女子を孕ませ繁殖するのであれば、アイナという少女は生きているやもしれんいくら知能が低いといえど自が種族の衰退につながるような苗床の殺害はしないであろう、で有るならば命の取捨選択をしなければなるまい。」「分かっている、分かっているが、目の前でまだ生きている人間を助けたいと思うのは間違いではない筈だ」「騎士団長様、でもアタシもお爺ちゃんの意見に賛成ニャ、アタシの生まれた村でも同じことをするニャ、でも一人は助けられる可能性が残っているならそっちに掛けるべきニャ」「仕方ない、済まない少年、君を助けることはできなそうだ。」「良いんだ、せめてアイナだけでも助けてくれ。爺さん頼む」「承った、安らかに眠れ勇敢な兵レオ、お主の遺志絶やしはせぬ」刀を抜き一刀のうちに少年の首を切り落とす落ちた首は安らかな顔をしていた

「エルノーラ殿気を落とすな、だがおかしい態々わざわざ生かしておく利点はなんだ、獣であるなら生きたまま囮にしたりはしないだろうな」「確かにそうだ気が動転していて気が付かなかったが言われてみればおかしい、本来ならば男は殺し女は犯すそんな魔物だ」「二人ともあれ見てほしいニャ」ミーシャの指刺した方向に視線を向ける「あのなりレオの言っておったアイナという少女かも知れぬ。警戒しろ何かが変だ。」

「余ノ王国ヲ侵略スルノハ誰ダ」「ありえんゴブリンエンペラーだと⁉︎」「なんニャそいつは?」「悪き神の影響で変化するゴブリンロードの成れの果て、それがゴブリンエンペラーだ、この人数では勝てん。一旦撤退しよう」「分かったニャいくよお爺ちゃん。」「二人で逃げよ、儂が殿しんがりをするその隙に洞窟の外へ」「分かった纐纈殿、すぐに応援を連れてくる。」私たちは急ぎ洞窟の外へ向かう10分ほど走ると外の光が見えてきた「でも、お爺ちゃんはどうするニャ、見捨てるのかニャ⁉︎」「そうではない我々では纐纈殿の足手纏いと成りかねないだから応援を呼ぶ。」


誠に面白き世界よ、かような者と死合う事ができようとはな

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