第2話

 成程、此処が冒険者組合か、儂は扉を開け建物に入る。受付に居た女性に声を掛けられる「ようこそ冒険者組合へ、何かご用でしょうか?」「ああ、冒険者とやらになりに来た、儂のようなよわいの者にもなれるかね?」「はい問題ありません、試験に合格する事が出来れば誰でも冒険者になる事ができます。試験を受けますか?」「受けよう。」「かしこまりました、では試験会場へどうぞ。」その言葉に従い先に行く女性の後に続く。


「よう爺さんいくら合格すれば問題無いとはいえあんたみたいな爺さんは初めてだ戦えるのか?」「お主よりは戦えよう、しかしお主、齢は30前後、経験肉体共に脂の乗ったいい時期だ、しかしそれ故に傲慢さの感じる」「何吐かしている爺さん!その鼻っ柱叩き折ってやる」その言葉に合わせ男は剣を上段から振り下ろす儂は抜刀をして男の剣を折り刀身を男の首筋の寸前で止める「どうかね、お主より戦えるであろう?この老耄おいぼれが一つ助言をしよう、力み過ぎだもう少し力を抜きた方が良い、かような戦い方では戦士としての寿命を短くするだけだそれと難しいだろうが距離を縮める際は爪先ではなくきびすを使い加速するといいそうすればもっと早く相手に接近出来る」「ちっ、合格だ爺さん」儂は受付に戻り証明書を受け取る


冒険者にもなった依頼でも受けてみるとするか、儂の階級でも受けられる依頼はゴブリンなる魔物絵を見るに小鬼かそれにコボルト犬の魔物か、ゴブリンの依頼を受けるとするか。張り紙を剥がそうとすると「ニャニャッそれはアタシが受けようとしてた依頼ニャ」「それは悪いことをした。お嬢さん」儂は声を掛けてきた猫耳をもつ少女に張り紙を渡す「お嬢さんじゃにゃい!ミーシャは立派な大人ニャ。じゃあ一緒に行くニャ、報酬は折半で良いかニャ?」「構わぬ、儂は今日冒険者になったばかりでな、かっても分からぬ、此方もそうしてくれると有難い」「アタシも最近出稼ぎで村から出て来たばかりなんだにゃ」ミーシャと名乗った少女と話していると、組合の扉が開き見覚えのある女性が現れる「纐纈殿もう登録したのか、と言っても貴殿ならすぐに登録してもおかしく無いと考え此処に来たのだがな。どんな依頼を受けたんだ?」「ゴブリンなる小鬼の群れの討伐だ。」「纐纈殿、貴殿なら問題無いとは思うが気を付けろ。」「お爺ちゃん、騎士団長と知り合いだったのかにゃ」「ああ、以前少しな、名乗っていなかったな儂は姓を纐纈名を忠興字を観柳斎」「アタシはミーシャニャよろしくお爺ちゃん」「では行くとするか、それではまたエルノーラ殿」 

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