異世界転移冒険者編

第1話

「助けて頂き感謝する貴殿の名を教えていただけるだろうか、私は国王陛下より騎士団長の座を拝命したエルノーラ・ウェルス」「名乗るほどの者では無いが儂は纐纈観柳斎忠興こうけつかんりゅうさいただおき」「コーケツか変わった名だタダオキが家名か?」「いや姓を纐纈名を忠興字を観柳斎と言う」「なるほど、北方にある帝の治める国の出身なのか貴殿は?」「それもまた違う儂は日の本の武蔵國の生まれだ」「聞いた事のない地名だ貴殿はやはり異界より召喚された者ではないか?もしそうならば貴殿の剣技をご教授願いたい」「それは出来ぬ」「何故だ纐纈殿我々では貴殿の剣技を扱うことが出来ないからか?」「勘違いさせた事を詫びさせてくれそういう訳では無い、我が剣はお主達のような“護る剣“ではなく“人斬りの剣“故お主達が学ぶべきものでは無い敢えて指南をするとすれば体に力が篭り過ぎている。脱力をし刀身が相手に当たる瞬間力を入れろそれが人斬りの男が出来るせめてもの助言だ。ではまたいつか会おうぞ」儂は彼らに背を向け立ち去ろうとすると背後よりエルノーラと名乗った女から声が掛かる「待ってくれ纐纈殿」「まだ何か用かな剣術は教えないと言ったはずだが」「いやそのことでは無い、礼をしなければ私の気が済まない、貴殿の都合が合えばですが我が祖国の王都に来て頂きたい」「良かろうこの世界で研鑽を積む為には情勢なども知っておいた方が良いだろうからな構わぬ」「感謝する、此処から東に数里行った村に馬を繋いである。」儂は彼等と共にその村へ向かい馬を駆りこの国の王都へ向かう

 此処が彼女の言っていた王都か儂の見た事のない建造物これは南蛮の建築様式か?

そう考えに耽って王都の門に向かうと番兵に止められる「待て、身分をあらためる」

先に王都の門をくぐったエルノーラが戻ってくる「彼は我々騎士団の命の恩人、その御仁は私が保証する。」「申し訳ありませんウェルス団長」「済まない纐纈殿長旅で疲れていると思うが、このまま王城へ向かう」なるほど此処が王都かかなり賑わっているなこの国に於ける帝に当たる人物がいるのであろう、王城とやらの豪華さを見るとまつりごとの中心であり権力の象徴なのだろうな。王城の内部も無駄に豪華だな、謁見の間も豪華国王も肥えているな「只今戻りました陛下」「よく戻った、ウェルス団長それでどうであった?そして横にいる膝を折らず礼を失する男は誰ぞ」「やはり悪き神の目覚めの予兆で間違い無いかと此方の御仁は纐纈観柳斎忠興殿我々が凶暴化したホーンベアの群れに囲われた騎士団を助けてくださった命の恩人です」「そうであったか、我が国の騎士団の窮地救って頂き感謝する、余はアマリス王国国王レナード3世であるそちに褒美を取らせる何が欲しい?」「儂が求めるものは情報にございます、儂は死の間際異界より何者かに悪き神の討滅を依頼されこの世界にやってきたのです。悪き神の事もそうですがこの世界を知らねば討滅は困難を極めましょう故に儂の欲する物は情報にございます。」「成程では冒険者になると良い、組合には余から文をだし試験を免除し準特級冒険者の位へするようにとな」「いえ、儂は最下級の位より始め研鑽を積みたいのです、それにこの世界の武芸者がどの程度なのかをこの身で感じたい、組合とやらへの文は辞退させて頂きたい。」「そうかわかった、代わりとして金貨50枚を褒美として取らせよう」冒険者か年甲斐もなく心が躍る者よどの様な兵がいるのであろうか。

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