砂漠編
第20話 ハッパ砂漠へ
エロイヤン四世の依頼を達成させるには、炭鉱の町付近にあった炭鉱を通り芸術の町ホックサイの町へ行く必要がある。
本来ならエロイヤン三世のシュンガ目的なんだけど、今回は筋肉増強剤を取りに行くイベントだ。
ところが炭鉱が落盤しているので通れず、カヤクを見つけてカヤクで落盤部分を破壊する必要があるのだ。
「エド、今度は何処に向かいますの?」
「ホックサイに向かう予定だ」
「でもあそこは炭鉱を通らなければいけないのですけど、落盤していて通れないと聞いていますわ」
「そこで一度ハッパ砂漠にある、オアシスへ向かう」
インテグラは何故って顔をしていた。
「あそこは魔法石採掘に火薬を使っているっすね」
「セレスは詳しいですわ」
「いやインテグラはなんで知らないっすか、魔法石は重要なアイテムっす、魔法使いなら常識っすよ」
「私はお父様から魔法石をわけて頂いていましたので、買ったことがないのですわ」
「私がインテグラに聞いたのが間違いだったっす」
インテグラの家に付いては知らないが、インテグラは結構裕福な家の育ちっぽい。
冒険者になっているのが不思議。
まぁ魔王討伐2では王子と王女がパーティメンバーだったしな、気にしないでおこう。
・・・・
ハッパ砂漠にある、オアシスの街は炭鉱の街の南西に位置していて俺達一行はそこへ向かう為に移動中だ。
「エドと一緒だと本当にクリティカルヒットが連発っすね」
「旅が楽です」
「しかも必ずドロップアイテムがあるから、アイテムストレージ内を整理しないとですわ」
このパーティの弱点というか難所は金がない事とレベルが低い事だ。
必ずクリティカルヒットが出るのでほとんどレベル上げが必要無く、レベル上げをしない代わりに金が貯まらない悪循環が発生していた。
ドロップアイテムはできるだけ売るようにして路銀を稼いでいる状態となっている。
「楽だけど、お金がないです」
「フレイアはお金の心配ばかりしているっすね」
「いやホックサイに向かうならもう少し良い装備が欲しいとおもうけど」
「フレイア、金策については心配するなハッパ砂漠で装備を一新する予定だ」
「何か方法があるのですか?」
「勇者スキルが大丈夫だとささやいているから心配するな」
「そうですか、ではエドを信じます」
・・・・
ハッパ砂漠、砂漠なので砂漠だ。
砂粒は小さく細かい物で色は黄色系である。
ゲーム上では平面の2Dマップだったが、現在は凹凸砂丘を歩いて進行中。
サンドワームやデザートスコーピオン・デザートイーグルと言った砂に関係する魔獣が現われる場所だ。
「サンドワームはなんかキモいっすよ」
「ウネウネが生理的にうけつけないですわ」
でっかいミミズなんだけど、口周辺に大量の触手が生えていてイソギンチャクの触手のようにウネウネ動いている。
エロゲームなどで触手プレイがあればきっとこんな奴に捕まってあれやこれやされるのか?
サンドワームが砂の中からボフッと突然現われて戦闘開始になるが、俺達はクリティカルヒット+2ターン連続攻撃が確定しているので何の苦もなく戦闘を終了させている。
続いて現われたのはデザートスコーピオンだ。
通常プレイならこいつは堅くて頑丈なので実プレイなら俺は逃げ続けた敵キャラだ。
堅いのに攻撃力が高く、経験値やゴールドは並と言う打撃系攻撃にはかなり不利と言うか損する敵なのだ。
魔法攻撃がとても有効なので魔法使いがいれば余裕で倒せるのだけど、主人公の勇者が物理攻撃してもほとんどダメージ通らなかったので俺はほとんど戦った記憶が無い。
「デザートスコーピオンですわ!ファイアボールの魔法で攻撃します!」
魔法使いインテグラが魔法使いとして活躍できると張り切っていたけど、フレイアと俺がクリティカルヒットを出すと、あっさりデザートスコーピオンを倒してしまう。
続けてメイアとセレスの攻撃で二匹目も倒す。
「負けていられませんわ! ファイアボール!」
燃えさかるデザートスコーピオンだが、デザートスコーピオンは倒れない。
「私がトドメを刺すのだ!」
メイアが続くようにデザートスコーピオンに一撃を加えるとあっさりデザートスコーピオンは倒れてしまった。
「インテグラ姉ちゃん、普通に殴った方が強いのだ」
「いやメイアちゃん、私は魔法使いなんですよ……筋力が強くても魔法の方がダメージが入るはずですわ」
「インテグラ姉ちゃんの魔法って初期レベルの物ばかりなのだ、私が見ていても姉ちゃんが通常攻撃をした方が相手に大ダメージを与えているのだ」
残念ながら横で聞いていた俺もそう思う。
筋力パラメータを上げすぎて、インテグラの初期レベル魔法を使うよりもインテグラ自身が通常攻撃をした方が敵にダメージを与えられる状況になっていた。
「なんか自信を無くしますわ、私は普通に敵を武器で攻撃した方が良いのでしょうか?」
「勇者スキルで色々やることを飛ばしてしまったからな、これから先はレベル上げも必要だ、インテグラ少し我慢してもらえるか?」
「エド、わかりました、それまではあなたに従います」
「ホックサイに付いたらレベル上げの予定だ、それまでは通常攻撃で頼む」
なんとなく不満がありそうなインテグラだったが、俺の指示に従ってくれる事になる。
砂漠を移動中にデザートイーグルにも遭遇した。
ゲーム中でも思ったのが、この魔獣デザイン。
デザイン人は鉄砲好きなのかと思われるネタキャラだ。
砂漠の鷲を連想させる鳥魔獣だとばかり思っていたが
イーグルが何故か鉄砲を持っていて攻撃してくる。
攻撃力の高い魔獣なのだが、ゲーム中も最初二ターンは攻撃せずに様子を見ていると表示され、その間に倒すか逃げればOK。
実物に遭遇すると、デザートイーグルは地面に降りると、羽の中から鉄砲を取り出しこちらに構えて照準を合わせる動作で二ターン消費している事が判明。
このゲーム、大砲はグラフィックで表現されていたけど、武器に鉄砲は設定されていなかったので、魔王軍の新装備なのだと勝手に解釈。
「何なんっすか?あの鳥、バカじゃないっすか?」
「まぁ降りないと攻撃出来ないんだろう?」
「筋力アップでブチ殺すっすっすよ」
聖職者とは思えない発言をするセレスに少し引いてしまう俺。
こんな事もありながら、ようやくパッパ砂漠オアシスの街に到着したのだった。
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