第54話 抵抗㉜
エーゲ海での海戦も終わり戦後のごたごたもだいぶ片付け終わった。
今回の海戦での被害は軽微なものとはとても言えないが今回の海戦の規模を考えれば相当被害を抑えることができているほうだと思う。実際、主力艦となる戦艦には被害が出ていない。重巡に被害が出ているのは少し痛いが、それでも影響は限定的だ。
そして戦闘がひと段落したところで今回の反乱に加担した家の代表がイズミルに集結する。
アイリス公爵家からはガイム様が、ジェンティアナ侯爵家からは当主であるカイト様が、シャラパール伯爵家からは当主であるユン様が集まった。そのほかにもイズミル周辺に領地を持っている子爵や男爵、騎士爵家も集まっている。ファセリア辺境伯爵からは残念ながら代表は来ることができなかったので電報によって戦況であったり、辺境伯爵家内の情報というのをもらっている。
そしてアカル侯爵家からは俺とシオン兄さん、そして当主である父さんが出席する。
すでに各家の代表者が集まっている大広間に俺たちは扉を開けて足を踏み出す。俺たちが大広間に入ると先ほどまで談笑していた声がなくなり部屋は沈黙に包まれる。
そして今回の反乱の指揮官として上座に座ると父さんが話が始める。
「今回は良く集まってくれた!今回の反乱の元凶として感謝する!」
父さんは荘厳な声でそういうと集まった代表たちに頭を下げる。そして俺たち兄弟もそれに倣って頭を下げる。
集まった代表たちが俺たちが頭を下げたことにざわざわとするが父さんはそれを気にせず、そのまま顔を上げると話し始める。
「それでは今までの戦況について話そう。エミル、頼めるか?」
「了解しました。現在起きた戦闘はイズミル北東部での戦闘とエーゲ海での戦闘の2つです。イズミル北東部での戦闘では損害はほとんど出ていません。逆に敵側はほぼ半壊の被害を出していると思われます。そしてエーゲ海での戦いですがこちら側にも重巡洋艦を含めた多数の艦艇に損傷が出ています。ただそれも想定内で済んでおり、逆に敵は空母2隻戦艦1隻を喪失しております」
「弾薬なんかは足りるのかね?」
「はい、今なところ十分に継戦が可能な量の弾薬を確保できています。弾薬庫が爆発でもしない限りは大丈夫かと」
「食料は?」
「正規の兵士には十分行き届いています。捕虜となった敵兵士には十分な量を出すことができていませんが、どのみち数か月のうちに戦死するでしょう」
いくつかの代表から質問が飛んでくるが、どれもすでに検討されていることだ。特に問題がある点はない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます