第48話 sideカエサル 抵抗㉖
どうにかして森の中に逃げ込むことができたがそれは一つのヤマを越えたに過ぎない。森の中にも周辺に展開している第6歩兵師団を潰すために反乱軍の戦車やそれの随伴歩兵が展開している。もし今のカエサルがその一団と接敵してしまったらどうすることもできずに殺されてしまうだろう。
しかし、カエサルにできることは接敵しないように神に祈りながら自分たちの本陣があるほうに撤退することだけだ。せめてもの抵抗としてライフルを構えながら歩こうとするが、どこにも見当たらない。
どうやらここまで逃げてくる間のどこかでそれをなくしてしまったようだ。仕方なく、腰にあるホルスターから拳銃を取り出すとそれを構えながら草に隠れるようにして慎重に進んでいく。
そうして歩いていると敵の戦車が自分の目の前を通るという場面に何回も遭遇することになる。何回かはどうにか草むらに隠れることによって誤魔化すことができたがそれも毎回できるわけじゃない。
草むらから出てほかの草むらに移動しようとしている時にちょうど敵に見つかってしまう。幸いにもその部隊には戦車や歩兵戦闘車なんかがなかったのに加えて、数人規模の小さい部隊だったのでまだどうにかできる。
カエサルは急いで近くにあった木の陰に隠れると敵に向かって拳銃を構える。
その間にも敵はライフルをカエサルめがけて撃ちこむがもうそれには慣れてしまった。もし、これが戦闘の始まってからすぐの出来事だったらまず間違いなく腰を抜かして抵抗することもできていなかっただろう。
カエサルは一応訓練を受けてはいるので拳銃を撃つことはできる。
慎重に習った方法を思い出しながらカエサルは拳銃を構えて反乱軍へと標準を合わせる。
しかし、彼は一応の訓練は積んでいるといえど、まじめにそれを聞いていたわけではないしそもそも実弾の発砲はそれこそ数えたほどしかやったことない。そして、銃というのはきちんとした訓練とある程度の経験がなければ当てることは難しい。
彼はどうにかして標準を合わせて拳銃の引き金を引く。
しかし、銃弾はもちろん的外れなところに飛んでいく。しかし、これは完全にたまたまだがその銃弾は反乱軍兵士の頭上にあった木の枝に直撃する。その衝撃によって木の枝は敵兵士へと落ちていく。
それは兵士を傷つけるには全く威力が足りてなかったがそれでも兵士はそちらのほうを警戒してしまう。
反乱軍の兵士たちが一瞬頭上に警戒を向けた瞬間にカエサルは草むらに飛び込んで姿をくらませる。
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